将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」本戦トーナメント決勝戦、チーム稲葉とチーム斎藤の対戦が9月24日に生放送された。チーム稲葉4連勝とカド番のチーム斎藤は、リーダー斎藤慎太郎八段(29)が出陣。出口若武六段(27)を破り、逆転優勝へ望みをつなぐ待望の1勝目を飾った。
【中継】優勝はどちらの手に?チーム稲葉 対 チーム斎藤による決勝戦
斎藤八段が、逆転優勝へ反撃ののろしを上げた。大一番は出口六段の先手で、相掛かりの出だしとなった。普段から研究仲間の両者。繊細な駆け引きが繰り広げられた序盤戦から、中盤戦では出口六段が持ち時間を大量に投入。慎重に読み進め、互角のまま終盤へと親交した。
白熱の攻防戦となった終盤戦では、解説の森内俊之九段(51)、聞き手の本田小百合女流三段(43)が「どちらが早いのか!」と興奮気味に声を合わせるシーンも。わずかに斎藤八段が優位で迎えた最終盤では、出口六段が2枚の角を突き刺し後手玉を追い詰めた。しかし、リーダーとして決勝戦でストレート勝ちを許すわけにはいかない。斎藤八段が執念の粘りで再び流れを引き戻し、二転三転の大熱戦から待望の1勝目をつかみ取った。
依然としてカド番に変わりはないものの、逆転優勝への足掛かりとなる1勝目を手にした斎藤八段は、「最後追い込まれていたので厳しかったが、あきらめずに敵陣を見ていたのが良かったのかなと思う」とホッとした表情。まだまだ厳しい戦いが続くが、「チームで声を掛け合って良い雰囲気で対局に臨めることが一番」と気を引き締めていた。
一方、大一番を落とした出口六段は「最後、勝ちがあったのを逃してしまったのは実力だが、チームメイトに申し訳ない。自分が情けないので、気合を入れ直したい」と悔しがった。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)