衝撃の結末は突然訪れた。2ラウンド終了間際、メイウェザーが繰り出した右のショートレンジが朝倉未来を“ズドン”と打ち抜くと、場内騒然。朝倉が崩れ落ちると同時にラウンド終了のゴングが打ち鳴らされたが、両手両ひざをついて視点が定まらない朝倉の様子を確認したレフェリーが試合を止めた。一連の衝撃的な光景にRIZIN実況の鈴木芳彦アナが「こんな朝倉未来は見たことがない!」と絶叫した。
9月25日にさいたまスーパーアリーナで『The Battle Cats presents超RIZIN』が開催され、RIZINスタンディングバウトルール(3分3R・フリーウェイト)で“路上の伝説”こと朝倉未来が50戦無敗、5階級制覇を達成したレジェンドボクサーであるフロイド・メイウェザーと対戦。試合は朝倉のパンチがメイウェザーを捉えるなど、“番狂わせ”を期待させる瞬間も演出したが、最後は50戦無敗のレジェンドの的確な一撃の前に屈した。
1ラウンド、様子をうかがうメイウェザーに対して、積極的にパンチを放っていく朝倉。大方の予想に反して、朝倉のアグレッシブな姿勢にメイウェザーが後退りする場面も見られた。
2ラウンドになると、徐々にギアを上げたメイウェザーのパンチが朝倉を捉え始める。時折りボディーを交えながら顔面へ。上下の打ち分けでリズムをつかんだメイウェザーは2ランド残り10秒、右フック、右ストレート、最後は右のショートレンジを朝倉の顔面に的確にヒットさせ、朝倉をマットに沈めた。
第3ラウンドを確信していた場内は一瞬の出来事に騒然。放送席からも「効いた」の声が上がる中、鈴木アナは「こんな朝倉未来は見たことがない! 完全に効いています。脳が揺れているでしょうか…視点が定まっているか、どうか?」と話したところで、レフェリーが立ち上がりロープにもたれ掛かる朝倉に対して、大きく両手を挙げて左右に振った。
その後、鈴木アナは「ただ、素晴らしい戦いを見せてくれました。朝倉未来」とたたえると、解説を務めた元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏も「メイウェザーを本気にさせましたからね。そう考えたら、すごいですよ」と続いた。