安倍元総理の国葬が27日に執り行われた中、ある映画が公開され議論を呼んでいる。山上徹也容疑者をモデルとした人物「川上」が主人公の映画『REVOLUTION+1』だ。脚本執筆3日、撮影8日というスピードで、制作途中だが国葬に合わせて緊急特別版(50分)が26日から3日間、全国12カ所で上映(29日の鹿児島の上映は中止)される。
監督の足立正生氏(83)は日本赤軍の元メンバー。山上容疑者を描く目的として、「シングルマザー、宗教2世、派遣労働と、この国の貧困を体現してきた1人の男が自分と対局にある1人の男を暗殺する、それに至る過程を描くことで、この国に決定的に欠けているものを知らしめることになるのではないだろうか」としている。
こうした動きについて、カンニング竹山は「ちょっと早いのではないか。みんなに考えてもらうような何かを世の中に出すというよりも、制作者の個人的な情や考えが乗りすぎている気がする。映画とはそういうものなので作るなとは言わないが、山上容疑者の裁判もまだ行われていない中で、いろいろなことがわかった上で作ったほうがよかったと思う」と疑問を呈する。
NPO「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏は「映画は総合芸術だし、どんな作品でも作っていいと思う。ただ、事件から3カ月も経っていない中でどれだけ背景の分析ができたのか。すなわち、作品としての深みはどれくらいあるのかということは冷静にみないといけない。暴力革命に失敗した、ある種哀れな老人のルサンチマン(復讐感情)につき合っている暇はない」と持論を展開した。
Loft系列の3会場で販売された各100席のチケットは完売した一方で、製作側へは「内容・題材がふさわしくない」などの抗議電話やメールが届いているという。
大空氏は「結局、安倍さんが嫌いな人向けだろう。監督は『この事件を美化するつもりはない』と言っておきながら、『日刊ゲンダイ』のインタビューでは『“山上を尊敬する”と周りに言ったら心配される』と言っている。心配されているのではなく、哀れみの目で見られているだけだ。明確な安倍さんに対する敵意があって、それに基づいた映画であることは疑いのない事実だと思う」と続ける。
カンニング竹山は「別に監督に同情したいわけではない。1つの作品を見ようと客として行った時に目線がわからない」という複雑な心境を明かした。(『ABEMA Prime』より)
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