将棋の第35期竜王戦七番勝負第1局が10月7・8日の両日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で行われ、挑戦者の広瀬章人八段(35)が藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)に107手で先勝を飾った。
第31期竜王で4期ぶりのタイトル奪還を目指す広瀬八段が、絶対王者・藤井竜王に快勝した。振り駒の結果、広瀬八段が先手番に。「角換わり腰掛け銀」の出だしから激戦へと展開すると、後手陣に強く踏み込みペースを握った。
その後も、手厚い指し回しで着実にポイントを重ねていく。対局2日目に入ってからも、藤井竜王に優位に立たせることなくリードを拡大。深い事前研究を実らせ、大きな先勝をもぎ取った。
終局後には「1日目から駒の交換もあって激しい展開になり、長考する場面も多かったが、全体的に悪い手もなくまずまず指せたかなと思う」と振り返り、ホッとしたように柔らかい笑みを浮かべていた。
広瀬八段は第31期竜王戦七番勝負で羽生善治九段のタイトル獲得数通算100期を阻み、初の竜王位に就いたが、翌年、豊島将之九段の挑戦に屈し1期での失冠となった。タイトル戦では初対戦となった藤井竜王相手にまずは1勝を飾ったが、公式戦通算成績は2勝5敗と負け越している。大勝負は始まったばかり。第2局に向けて「幸先の良いスタートが切れたので、2局目以降も気持ちを切らさず頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
注目の第2局は10月21・22日の両日、京都府京都市の「総本山 仁和寺」で予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)