藤井聡太竜王、シリーズ初勝利で1勝1敗に 広瀬章人八段の新趣向打ち破る/将棋・竜王戦七番勝負第2局
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 将棋藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が10月21・22日の両日に行われた第35期竜王戦七番勝負第2局で、挑戦者の広瀬章人八段(35)を破りシリーズ初白星を挙げた。この結果、互いに1勝1敗に。注目の第3局は10月28・29日、静岡県富士宮市の「割烹旅館 たちばな」で指される。

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 藤井竜王が広瀬八段の研究将棋を打ち破り、鮮やかに勝利を飾った。藤井竜王の先手番で始まった本局は、「角換わり」の出だしに。広瀬八段が「3三金型」と腰掛け銀を組み合わせた新趣向を見せ、後手番ながら積極的に仕掛けていった。序盤は広瀬八段の巧みな指し回しに対し、藤井竜王はじっくり持ち時間を投入してその真意を探った。

 封じ手の手番を持ったのは広瀬八段。2日目を迎え、立会人の谷川浩司十七世名人(60)が読み上げたのは、解説から本命視されていた飛車先の歩を進める一手ではなく桂馬の入手だった。難解な中盤戦で踏み込んだのは藤井竜王。後手陣の上部で戦いを起こし、ペースを握った。

 終盤戦に突入すると、藤井竜王は取れる銀を取らず金を上がる一手を放つ。寄せ形をも見据えた手筋で優勢に立つと、ABEMAの中継に出演した木村一基九段(49)は「広瀬八段に目立った悪手は無かったはずだが…」、中倉宏美女流二段(43)は「点と点がどんどんつながっていく様」とコメントした。ここからは藤井竜王の“ゾーン”とばかりに一気にリードを拡大。銀打ちから寄せ切り、鮮やかに勝利を手にした。

 終局後、藤井竜王は「序盤から経験のない形になった。少し苦しい展開が続いていたが、途中から持ち駒が増えて狙える形になって、好転してきたのかなと思う」とコメント。敗れた広瀬八段は「早繰り銀にする人が多いが、腰掛け銀にしたのが工夫。作戦は変わった指し方ですが、やってみようと思た。封じ手明けてからの手順を読んでいなくて、先手が曲線的なので悪くないと思っていたが、2日目の昼頃から苦しさを感じていた」と振り返った。

 この結果で、藤井竜王が初防衛に向けて待望のシリーズ1勝を手にした。第1局では広瀬八段が先勝を飾っており、互いに先手番で1勝ずつを挙げたことになる。藤井竜王は、「タイに戻すことができたので、内容をしっかり振り返って次局に繋げていけたら」と話し、次戦を見据えた。注目の第3局は次週、28・29日、静岡県富士宮市の「割烹旅館 たちばな」にて、広瀬八段の先手番で指される。

(ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第35期 竜王戦 七番勝負 第二局 2日目 藤井聡太竜王 対 広瀬章人八段
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