「社会不適合者」の烙印も フルーツ大福が“萌え断”で大ヒット、門外漢の創業者がワザと演出した「老舗和菓子店の4代目っぽい」イメージ戦略
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多彩な番組を好きな時に何度でも楽しめます。

 フルーツ大福を糸で切り、果実の魅力的な断面をとらえた「萌え断」の画像が、いまSNS上でバズっている。

【映像】“萌え断”なフルーツ大福の数々

 仕掛け人は、大野淳平氏(34)。大学卒業後に入社した会社では、社長から「社会不適合者」と言われたというが、広告業界や古着店経営を経て、2019年に「覚王山フルーツ大福『弁才天』」をオープンした。名古屋市覚王山(かくおうざん)の1号店から、わずか3年で70店舗以上を展開し、海外進出も果たしている。

 10月23日の『ABEMA的ニュースショー』では、大野氏がスタジオに登場し、ヒットの裏に隠された、緻密な戦略を明かした。

 弁才天は創業3年だが、よく「4代目の跡取りが、新しいことを始めたんじゃないか」と言われるという。それは「老舗っぽく、老舗の横に(店舗を)出す」というイメージ戦略の一環だと明かすと、共演者は驚きの声を上げる。

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 大野氏いわく、旧態依然とした業界に新たな風を吹き込めるのは「門外漢」。映えを意識したスイーツが乱立しているなか、大野さんは、哲学者・ニーチェの言葉を引用しながら、同じ存在でも見方によって価値が変わると指摘する。

「フルーツ大福はそもそも存在していて、みかん大福やいちご大福は、いろんな和菓子屋さんで売っていた。でも、そこにデザイン性とか、糸で切る体験価値を合わせて販売したというところが、勝機につながったのではと思っている」

 大野氏には、「老舗を作りたい」という思いがあった。20代のころ、流行に右往左往するなかで、「なにひとつ積み上がっていない。僕はトレンドじゃなくて、カルチャーを作りたい」と決意。老舗について考えていたところ、町の和菓子店が「流行ってそうもないのに潰れていない」ことに気付いた。

 実は大野氏、あんこが苦手だという。しかし、それを逆手に取った「素人最強説」が、世界進出のカギを握っている。

「西洋では『豆が甘い』ことが気持ち悪いらしい。僕たちが『お米が甘い』のが気持ち悪いように。僕は和菓子が好きじゃない、でもそんな自分でも食べられるものこそ、海外でも挑戦できるんじゃないかなと」

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 創業当初は、ほぼ家族経営だった。母の夢だった喫茶店を開くべく、店舗探しをしていたところ、老舗和菓子店を見つけて、「隣で老舗の和菓子屋っぽい感じのやつを出したら、間違えて買いに来るんじゃないか」とひらめいた。和菓子作りのノウハウもなく、動画投稿サイトやレシピサイトを見ながら試行錯誤。周囲からの「和菓子屋なめんなよ」といった空気もあり、技術提供も受けられないなかで、ひとまず数百万円の機械を導入したという。

 フルーツ大福に目を付けたのは、唯一おいしく食べられた和菓子が、四国で出会ったイチゴが大きく、薄いあんこと餅で包まれているものだったから。「フルーツが主役。お餅とあんこは名脇役」と考えるようになり、出会いから3か月ほどで、オープンにこぎつけた。

 弁才天のフルーツ大福は、無花果(イチジク)800円、キウイ700円などと、大野さん自身も「強気な価格設定」と感じるほど。しかし、むしろそうだからこそ、成り立っているのだという。

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「手土産として渡すものが、安かったら失礼になる。高級な羽二重粉(はぶたえこ)とかフルーツとか、とにかく良いものを仕入れて、それを倍の値段に売るためにはどうしたらいいかと」

 弁才天は、デザイン性を高めるだけでなく、市場でセリに参加できる買参権(ばいさんけん)も手に入れるなど、「映え」にとどまらないイメージ戦略に取り組んでいる。

「食べておいしい。それは当然そうだが、そこで自分のステータスが上がるような手土産じゃなかったら選ばれない。『自分をよく見せたい』という欲望に対して、訴えかけていくような商品設計をしている」

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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