コロナ禍で規模を縮小していたハロウィーンイベントを3年ぶりに開催しているユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。そんな中、公式Twitterにある投稿がなされた。
「公序良俗に反する服装やパークにふさわしくない過度な露出はお断り、退場いただく場合があります」
実はこの数日前、女性客のグループがパーク内とみられる場所で撮影した写真がSNS上で拡散し、物議を醸していた。それは下着にも見える過激な衣装を着た女性たち。「写真を撮る瞬間以外は上着を着て前も閉めていた」などと書き添えられていたが、Twitter上では、「そもそもハロウィーンのコスプレとして間違っている気がする」「子どもとかいろんな人たちが集まるテーマパークでこういう格好をするのは場違い」という批判の声があがった。USJは来場者に向けて「多くのゲストの安心安全のため、ルールとマナーへのご協力をお願いします」と呼びかけている。
モラルやマナーはどこまで必要なのか。25日の『ABEMA Prime』は議論した。
今回の騒動について、タレントの田村淳は「コスプレはアニメなどのキャラクターを模したもので、そのキャラの肌の露出が多いのであれば仕方ないと思う。ルール違反はダメだが、『衣装を着けているんだったら別によくない?』と思う」とコメント。
コスプレイヤーの七瀬さくら氏は「実物の写真を見ると、特に手前の右の方、かわいらしくて似合っているが、この格好は寒すぎるんじゃないかなというくらいにお腹や脚、腕が出ていた。コスプレイヤーも冬に寒い格好をするが、アミューズメントパークの中というのが議題なのかなと感じる」との見方を示す。
とはいえ、この格好になったのは写真を撮る時だけだったそうで、USJ側も「仮装を楽しむことを歓迎しています」としている。
七瀬氏は「池袋でやっている有名なイベントでは、例えば胸の面積が3分の2見えていたらダメ。最初からそうだったわけではなくて、毎年毎年(制約が)増えていった。池袋もお子さんがいらっしゃるところでやるので、“これはどうなんだ”と。こういうことが重なっていくと、USJでもルールが増えていくのかなと思う。縛ってしまうと面白くない面も絶対あるので、そこがすごく難しい」と懸念を示す。
七瀬氏も露出には気を使っているのか。「家の中でする宅コスや、スタジオを自分で貸切ってする場合は、人の目に触れないクローズドな世界なのでそこまで気を使わない。池袋や渋谷など公共の場だと、ストッキングは必ず履くとか、スカートが短かったら一分丈の黒いスパッツを履く、トップはヌーブラをする、インナーを着る。もっと露出度の高い衣装だったら、肌色のボディスーツみたいなのがあるので、丈に合わせて切ってから水着を着るというかたちで対策している」と答えた。
その上で、「今言った例はコスプレのイベントが主となっている場合なので、露出のラインをルールどおり守ってくれればOK。今回、USJ側も仮装を歓迎しているが、『露出対策がちょっと甘いんじゃないかな?』というのはコスプレイヤーの間でも議題にあがった」とした。
モデル・女優の貴島明日香は「コスプレは日本の誇れる文化。私もオタクカルチャーが大好きなので、そのイメージがこういうことで悪くなるのは悲しいなと感じる。ハロウィーンの仮装とコスプレイヤーさんがするものは違うと思うので、TPOをわきまえるというのはやっぱり大事なんじゃないか」と投げかける。
これに対し、田村は「そうなり始めたら、いよいよ何をしたらいいかわからない。表現がだいぶ制約されて、TPOに反しているんじゃないかとなったら、『何を着て行こうかな?』という楽しみがなくなってしまう気がする」と述べた。
過激なコスプレと公然わいせつ罪の線引きはどこにあるのか。深澤諭史弁護士は「わいせつ概念は社会通念により決定される。したがって、単独でそのものを見るだけではなくて、周囲の状況や社会的・文化的な背景など、一切を考慮することになる」としている。(『ABEMA Prime』より)
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