将棋の棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメントが11月3日に行われ、佐藤天彦九段(34)が藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)に121手で勝利した。終盤での逆転劇で強敵を破り、7期ぶり2度目の挑戦へ大きく前進。次戦では、羽生善治九段(52)対伊藤匠五段(20)戦の勝者と挑戦者決定戦出場をかけて戦う。
佐藤九段が五冠王から大きな一勝をもぎ取った。振り駒で先手番となると、「やってみたい手があった」と自身の得意戦法「矢倉」を志向。難解なねじり合いとなった中盤戦では藤井竜王に大きくリードを許し、苦しい時間が続いた。
苦境に立たされた佐藤九段は勝負手を連発。桂打ちの一手から後手の堅陣を切り裂き、形勢を逆転させた。互いに秒読みの中、藤井竜王もなんとか食いつき勝利への道筋を探ったが、再逆転は出来ず。互いに持ち時間をフルに使う大激闘を押し切り、大きな一勝を手にした。
佐藤九段は、7期ぶり2度目の挑戦へ前進。「最後までわからない将棋だなと思っていました。(桂打ちは)スピード重視の手。どうなっているかわかってなかったです。(勝ちを意識したのは)こちらの駒が金気が多い感じになって、確実に相手の王様が詰むかなという最後の最後でした」と一局を振り返った。
次戦では、羽生善治九段(52)対伊藤匠五段(20)戦の勝者と対戦。挑戦者決定二番勝負への進出をかけて戦う。「ここまで来られたのは良かった。厳しい戦いが続くので、今日と同じように自分の力を出し切ることを第一に考えたい」と話した。
(ABEMA/将棋チャンネルより)