大量解雇のTwitterが向かう先は“2ちゃんねる”?「トレンド操作」臆測も… 新時代の使い方は
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 約6兆4000億円でTwitter社を買収したイーロン・マスク氏。2年連続の赤字の中、まず打った手が、7500人の従業員の半分を解雇するという改革だった。BBCによると、解雇対象になったのはマーケティングや広報、コンテンツ・キュレーション、プロダクト開発など多岐にわたるという。

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 関係者、さらには外部からも混乱の声があがる中で、マスク氏の狙いはどこにあるのか。Twitter社でデータサイエンティストとして勤務経験がある長山一石氏は「読者向け“メディア”から、発信者向け“プラットフォーム”へ」向かうとの見方を示す。

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 「メディアとプラットフォームは対立する概念ではないが、“ニュース”プラットフォームとして捉えると、速報や正確性、公共性が求められる。一方、“コミュニケーション”プラットフォームと捉えると、自由や脱集権といったことが重要になってくる。どちらかというと、後者に寄せようとしているのではないか」

 また、ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「二択を迫られている」と分析する。

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 「Twitterは元々『SNS』としてスタートしたが、14年を経てニュースの流通プラットフォームとして巨大化した。“プラットフォームか、メディアか”という議論は、そこに意思が存在するかどうかだと思う。前者はあまり情報をコントロールしてはいけないという、中立の概念は当然出てくる。一方で、メディアはテレビや新聞などの報道機関が意思を持っているように、“こういう情報を読者に届けるんだ”という志を持っている。完全に中立で意思を持たないプラットフォームが『2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)』で、放っておくとTwitterもそうなってしまう。イーロン・マスクはプラットフォーム側に行こうとしているけど、今後2ちゃんねる化してしまう危険性をどうするのかという議論になってくるだろう」

 解雇騒動後、ニュースフィードについてTwitter上では「人為的に操作されていたのか」「トレンドはAIらしいが、ニュース記事からトレンド入りが多かった」「人為的にバズを作り上げててみんな騙された気がしてた」という声が上がり、「#トレンド操作」がトレンド入りした。

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 佐々木氏は「例えば、Facebookも4年前くらいに問題になった。英語圏では『ニュース』という欄があって、そこにあげる記事は『アルゴリズムでやっている。人の手は介していない』と説明していたが、ある時にスタッフが介していたことがわかった。ピックされているのがリベラル系の記事ばかりということがバレて、それと同じことが今起きている。ただ、人の手が入っていることが悪いわけではなくて、ちゃんと説明していなかったからだ。『私たちは左派メディアだ』と言うのであれば別に構わないが、中立を装っておきながら偏った記事ばかり載せているバランスの悪さが問題になっている」と指摘する。

 評論家・近現代史研究者の辻田真佐憲氏は「そもそも日本人、メディアがTwitterに依存し過ぎだ」とした上で、「その結果、一SNSに過ぎないものがやたら公共的なものに見えてしまっているわけだ。ハッシュタグデモやいろいろな政治的な運動が起きるが、そんなトレンドが出てくる国は珍しいと思う。そこに刺激されて、また立場のある人が無駄な争いを無限にやっている。そもそも民間企業のサービスなので、嫌だったらやめて、厳しいと思ったら距離をとればいいだけの話。Twitterの依存から離脱して、立ち返るべきだと思う」との見解。

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 プロデューサーで慶応義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「元々Twitterはオタクのガジェットとして始まって、みんなで情報を共有したりする“おもちゃ”だったと思う。それをまさに一部のインテリが期待し過ぎた。今回の解雇の件も、民間の一サービスの話だ。僕らが新しい時代の到来をTwitterに重ね過ぎて、“Twitterなんだから正しくやれ”みたいな。たぶん作った側からしたら単なるおもちゃだったんだけど、みんなが期待するから手厚くしていったら赤字になってしまったという話だと思う。影響力を持っていた人や大きいことを言えていた人が、“自分は次どうなるのだろう”と不安になっているだけだ」との考えを述べた。

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 長山氏は「トレンドのランキングや、どのトレンドが上がってくるのかという『モデル』を作るのは、全部人がやっていることだ。人の意思が完全に介在しないものはない」と説明する。

 辻田氏はユーザー側のリテラシーも必要だとして、「やはりAIなどの言葉にごまかされてしまった面があると思う。新聞にしてもテレビにしても右左はあるし、書いているのが人間なら何かしらのイデオロギーはあるに決まっている。AIにもプログラミングをする人間の思想は入ってくるわけだ。これまでの“メディアリテラシー”というものをネットメディアにも適用する、そういう当たり前のことをやっていけば、今回のようなトレンド操作というワードで大騒ぎすることはないと思う」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)

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