「年甲斐もなくキンチョール」豊川孝弘七段、大会初参戦 師弟で優勝なら「泣くでしょうね」/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 師弟で肩を組んでの戦いを前に、ベテランも少し笑顔がひきつった(?)8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」が、11月19日から放送開始となる。豊川孝弘七段(55)は渡辺和史五段(28)とのコンビで、大会に初参戦する。「いやあ、年甲斐もなく違った意味でキンチョール(緊張)ですよ」と、インタビューでいきなり得意のおやじギャグを飛ばしたが、笑いの中にも弟子と戦うことに対してのプレッシャーがほんのり。強豪師弟がずらりと揃う中で、周囲も「驚きマンモス」な快進撃を見せられるか。

【映像】初出場に向けて意気込みを語る豊川孝弘七段

 放送対局の解説やイベントなどで、回転のいいトークとおやじギャグの連発でファンを楽しませる豊川七段。しかし大会では渡辺五段とともに、一つの目標に向かって超早指しという過酷な戦いに臨むことになった。出場に関しては「まさか自分のところかと。驚きマンモスですね」と大笑いした。公式戦ではないものの、師弟がお互いを思いやって戦うことへの熱さは知っている。昨年の第1回大会は畠山鎮八段(53)・斎藤慎太郎八段(29)の師弟が優勝。決定局を制した畠山八段の涙には「鎮(ちん)ちゃんが泣いちゃったんですよね。ニュースで見ました」と驚いた。

 弟子の渡辺五段は、プロ入りまでにかなり苦労したが、昨年度は20連勝を記録するなど、立派に独り立ちした。「三段の時は結構心配して親御さんとも結構電話したりいろいろあったんですが、もう五段に上がったり20連勝だったり。もう『勝手にシンドバット』で全く心配していないです」と、一人のプロとして認めている。ただ、常に多くの人々がいる中で接してきた弟子と、今度は2人きりで戦う。「弟子と一緒って初体験です。僕も師匠と2人きりはなかなかなかったし」と、違う緊張も走る。勝ち負けを共有し、作戦会議室でどんなことを話すのか。今さらだからこそ、そわそわする。

 いろいろと気にある部分はあるが、やるからには頂点を目指す。「マンモス馬券ですね」と、自らを競馬の万馬券のように大穴と表現する。各師匠にも錚々たる顔触れが揃い、弟子側にも大会初参戦となる藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)を筆頭に、強豪棋士がずらり。「どう見てもすごいメンバーじゃないですか。たとえば弟子が全部勝って、こっちが足を引っ張っちゃったら、一生忘れないでしょうから。弟子の前で恥もかきたくないし、迷惑もかけたくないです」と、気持ちが引き締まる。厳しい戦いの末に優勝を果たしたら、昨年の畠山八段と同じく「勝手に想像するんでしょうが、泣くでしょうね」と予言した。「出るからには優勝。勝負は勝ちしかない。その一点です。空前前後ですね。サンシャイン豊川になっちゃってますよ(笑)」。ファンからすれば、喜びと安堵でぐちゃぐちゃに泣き笑いながら、おやじギャグを飛ばす豊川七段の姿を見てみたいはずだ。

◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】初出場に向けて意気込みを語る豊川孝弘七段
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【放送】ABEMA師弟トーナメント2022・師匠サミット
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【放送】ABEMA師弟トーナメント2022 予選Aリーグ チーム鈴木 vs チーム畠山
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