期待と注目を集めた強豪同士の一戦は、急所へのクリティカルなヒザ攻撃によって即中止に。その瞬間、会場には「うおぉぉ!」という断末魔のうめき声と大ブーイングが響き渡った。また、アクシデントとはいえ決して悪びれない様子の加害選手に対して解説陣が苦言を呈すと、視聴者からも「Why?じゃねーよ」「全然反省してないな」など批判が殺到した。
12月3日にフィリピンで開催されたONE Championship「ONE FIGHT NIGHT 5」。ロベルト・ソルディッチ(クロアチア) と ムラド・ラマザノフ(ロシア)の試合は開始わずか2分、ラマザノフのローブローでソルディッチが試合続行不可能になりノーコンテスト。しかし、裁定に不服か、終始「俺は悪くない」とアピールをし続けたラマザノフに見兼ねた解説陣が「嫌われる態度だからやめたほうがいい」と苦言を呈した。
圧倒的なレスリング技術で相手を完封するお家芸でONEを席巻しているロシア・ダゲスタン旋風を象徴する一人、11戦無敗のラマザノフ。対するはONE初登場となるロベルト・ソルディッチ。ポーランドの欧州最大の団体「KSW」の2階級王者で、高い技術を誇る注目の選手だ。
ピリピリした空気のなかで試合はスタート。両者手を合わせながら探りあう攻防、ローを飛ばすソルディッチのプレッシャーがわずかながら勝る。ラマザノフもいつになく慎重な立ち上がりだ。
速い左のローで体が流れるラマザノフだが、低空から片足タックル。倒れないソルディッチをラマザノフがジワジワとケージ際に追い込む。なかなか倒れなかったソルディッチだが、ラマザノフは強引に上を取って、いつもの勝ちパターンへ移行していく。しかし、ソルディッチが中腰から徐々に体勢を立て直し、ラマザノフの勝ちパターンを回避したかに見えたその時だった…中腰で腹部にパウンドを浴びせていたラマザノフが、ソルディッチの急所をめがけてヒザを一発。“バコッ”という鈍い音のあと、ソルディッチが「うおぉぉ…」と痛々しいうめき声をあげて崩れ落ちた。
前のめりに倒れ込む程のローブローのダメージ。加害者のラマザノフは一瞬「やべえ、やっちゃった…」という顔をしつつ、手を広げて「俺は悪くない」とアピール。ヒザをついたまま動けないソルディッチ…期待が高かった試合だっただけに会場は大ブーイングに包まれた。5分間のインジュリータイムを経るも、ソルディッチは続行不可能。ノーコンテストとなった。
待つ間も悪びれないラマザノフは手を広げてさらに「悪くない」アピール。ABEMA解説・大沢ケンジは「それはやめたほうがいい。嫌われちゃいます」とコメント。さらに普段は温厚な西達彦アナウンサーも「あなたが蹴った方でしょう」と呆れた様子。視聴者からも「Why?じゃねーよ」「全然反省してないな」と批判が殺到していた。