「データ」で振り返るクロアチア戦 アナリストが選ぶMVPは遠藤航「守備の貢献度が高い」
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 PK戦までもつれる死闘の末、惜しくも敗れた、「FIFAワールドカップ」決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦。日本サッカー界の大一番ではどのようなことが起きていたのか。サッカー分析を手がける「データスタジアム」のアナリスト・滝川有伸氏に、クロアチア戦をデータから分析してもらった。

【映像】データで振り返るクロアチア戦

 試合の主導権を握ったのは、世界的ミッドフィルダー・モドリッチ選手を擁するクロアチア。シュート数(日本11、クロアチア17)や、敵ペナルティエリア内でのプレー数(日本16、クロアチア25)を見ても、クロアチアのペースで試合が進んでいたことがわかる。

 この試合、滝川氏が注目したのが、日本の後半の攻撃だ。前半43分、前田大然選手がゴールを決め、今大会初めてリードしたまま迎えた後半戦。日本の攻撃が消極的になっていたと滝川氏は分析する。

 「ポゼッションしてからの攻撃は、後半で見ると日本は4回、クロアチアは14回。日本が主体的にボールを動かすとか、ボールを高い位置から奪うとか、ゴール前まで攻め込むような攻撃ができるとよかったと思う」

 日本の時間帯ごとの支配率・ポゼッション率を見ると、同点に追いつかれた後の時間帯、75分は31.9%と主導権を握れなかったのが表れている。

 高身長の選手を多くそろえ、空中戦で日本の攻略を試みたクロアチア。データスタジアムの分析では、延長戦を含む120分間でクロアチアが放ったクロスボールは33本で、うち10本が成功。後半、同点に追いついたシーンも、サイドからの攻撃だった。対する日本は、地上戦で対抗。クロアチアの3倍以上、22本のドリブルを仕掛けた。

「データ」で振り返るクロアチア戦 アナリストが選ぶMVPは遠藤航「守備の貢献度が高い」
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 「(サイドの戦いは)序盤はだいたい均等だった。三笘選手が後半に入って、日本はそちらのサイドを使いたい意図はあったが、クロアチアも選手を交代して三笘選手対策を練っていたので、日本の左サイドの攻撃ができなかったかなと」

 惜しくも敗れたものの、随所で光るプレーを見せたサムライブルーの選手たち。滝川氏は日本のMVPに、中盤の要として奮闘を続けたボランチの遠藤航選手をあげる。

 「守備の数字、タックル、対人プレーも多いし、はね返すプレー、クリア・ブロックなどの数字がこの試合で1位だった。中盤の位置で彼の守備の貢献度が高いので、ここで止められないとよりシュートとか、ペナルティエリアに侵入されてピンチを迎えていたのではないかと考えると、彼の貢献が大きいと思う」

 “新しい景色”を目指し、4年後のW杯を目指す日本代表。更なる高みに行くため、今後何が求められるのか。

 「前半から主導権を持って、再現性のある攻撃ができるのが課題かなと思う。カウンターがダメならボールを保持しながら進めてみようとか、柔軟な試合展開に応じた攻撃のパターンを増やしていくのが重要だと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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