「大好きなメッシと一緒にサッカーがしたい」 “神の子”を見て育った少年たちが、家族となって最後のW杯を戦う
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リオネル・メッシ、35歳。このカタールW杯がおそらく彼の最後のW杯になると言われている。メッシが初めてW杯に出たのは2006年のドイツ大会でもう16年前になる。

当たり前だが16年前の年齢は、誰もが今より数字を16個引くことになる。30歳なら14歳、28歳なら12歳、25歳なら、まだ10歳にも満たない子どもの歳だ。実はアルゼンチン代表にはそんな選手がゴロゴロいる。幼少期からメッシを見て、メッシの真似をして、「いつかメッシと一緒にサッカー(フッチボル)をするんだ!」と夢見た男の子が大人になった選手だ。

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今年になってパリ・サンジェルマンからイタリア・ユベントスに移籍したレアンドロ・パドレス、28歳

昨年からアトレティコ・マドリーに移り、今大会でもアルビセレステ(選ばれた水色と白の意=アルゼンチン代表ユニフォームの愛称)のダイナモとなってチームに最大限の忠誠を誓うロドリゴ・デパウル、28歳

15歳のときに撮ったメッシとの記念写真を、今でも大切に持っているフリアン・アルバレス、22歳

カタールW杯直前の移籍期間終了間際に5年契約でトッテナムに移籍を決めたクリスティアン・ロメロ、24歳

準々決勝のオランダ戦でメッシからボールを受けて先制点を叩き込んだナウエル・モリーナ、24歳

リサンドロ・マルティネス、24歳

エンソ・フェルナンデス、21歳

アレクシス・マクアリスタ、23歳

・・・

このカタールで走り、蹴り、身体を寄せ、身を投げ出してボールにチャージした選手達、いや・・・16年前に「メッシを見て育った男の子」達だ。

オランダ戦、メッシは執拗なチャージを受け続けた。相手は、アルゼンチンの男の子達が大好きなサッカー(フッチボル)をしようとせずに、我らがメッシの足を削り、身体を吹き飛ばして、ボールを蹴り込み、肉弾戦でこの試合を台無しにしようとしてきたのだ。

この試合が「荒れた」原因はいろいろあるだろう。

準々決勝という痺れる試合、主審のコントロール、そしてオランダのゲームプラン・・・

しかし、最もこの試合を熱いものにしたのは、この16年前の男の子達の純粋な気持ちが爆発したからではないだろうか?大好きなメッシが、目の前で理不尽な扱いを受けているのだ。それはテレビの中の出来事ではない、まさに自分の目の前に繰り広げられている景色なのだ。

カタールW杯のアルゼンチンは今までのアルゼンチンではない。団結した家族になっている。それは16年の年月で結ばれている。愛する、敬愛する家族の一人が「やられた」ら、「やりかえす」。アルゼンチンの男の子なら、誰もがそう思うはずだ。

大好きな、大好きな、大好きなメッシと一緒にサッカーをしたい。

そんな男の子たちが青年になり、そして大人になってピッチに立っている。

だから今、彼らはこう思っているはずだ。

「僕らが真の家族だということを証明するために絶対に、絶対に、絶対に、勝つんだ」と。

ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)

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