西田亮介氏
【映像】西田氏が国葬儀ヒアリングに応じた理由
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 安倍元総理大臣の「国葬」の検証に向けて、政府は先週、有識者へのヒアリング結果を公表した。

 ヒアリングは内閣府の国葬儀事務局が10 月中旬から12月にかけて、法律や政治学、外交などの分野の有識者やマスコミの論説委員等21人に対面で行った。聴き取ったのは、「実施の意義」「国会との関係」「国民の理解」「対象者」「経費や規模の妥当性」「その他」の計6項目。

【映像】西田氏がヒアリングに応じた理由

 聴き取りの内容やその結果をどう今後に生かせばいいのか。このヒアリングに協力した1人で、『ABEMAヒルズ』コメンテーターの社会学者・西田亮介氏に話を聞いた。
 

――どういったヒアリングか。

「国葬儀はまさに国民を二分したことから、政府と立法府それぞれが検証を行った。僕は立法府側の検証のヒアリングにも呼ばれ、双方で意見陳述しました。先日、立法府側の意見陳述が先行して公開されたが、それを追う形で政府側の有識者に対するヒアリングも公開された。様々な専門性を持った有識者や、新聞社の論説委員等に対してヒアリングを行い、今後の検証に活かす。その結果が取りまとめられて公開された」
 

――どのような形で行われたか。

「内閣府からコンタクトがあり、受けたところ、『今度、国葬儀の専門家ヒアリングを行うので受けてもらえるか』と(聞かれた)。政府のこれまでの立場と国葬儀の経緯についてのレクが行われて、その後公式のヒアリングがあったので、計2回にわたって実施された」

国葬儀ヒアリング
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――西田氏は1人目のヒアリング対象者だったのか。

「先方の事務局からはそう聞いた。内閣府の担当者も、質問の在り方やヒアリングの仕方を試行錯誤しているようだった。というのも、過去に国葬儀を行った回数は、吉田茂元総理のときとあわせても2回だけ。だから、国葬儀に特化した“本当の専門家”もほとんどいない。事務局も、どのような人に聞いていくのか、どのような聞き方をすれば今後の検討に活かせる適切な意見が出てくるのかをよくわかっていなかった印象だ」
 

――ヒアリングの要請を断った人も多かったようだが、西田氏はなぜ応じたのか。  

「50名に打診して21名が受けたということは半数以上の人が断っている。それを後から聞いて驚いた。“本当の専門家”は少ないにしても、いろいろな専門性を持っている人間が発言をすることで今後の政策形成に活かしていく、あるいは政策の在り方に知見を反映してもらうのは、我々、文系の研究者ができる社会貢献のひとつだと考えるので引き受けた」
 

――ヒアリングの内容は今後のルール作りのためにどう生かしていけばいいか。

「国葬儀が実際に行われるまでには、かなり激しく賛否が分かれた。世論調査を見ても賛否は二分されていた。ところが、国葬儀が実施された後では多くの人たちの関心が薄れてしまった印象だ。立法府側の取りまとめは、実はA4用紙たった3枚分の報告書だった。もともとヒアリングも非公開で行われた。それに対して、政府のヒアリングも実施の過程では非公開だったが、公開された報告書は大変分厚くて、190枚くらいある。内閣府のホームページに原本があるので、皆さんにもぜひ見てほしい。賛成・中立・反対とそれぞれの意見が出揃い、それなりにバランスよく報告書ができているので、それを読みながら皆さんがそれぞれ今後国葬儀がどうあるべきかを考えてほしい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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