「白夜で気付いたら深夜に」「ゴミ分類は厳しい」「けん玉が流行」 南極観測隊に同行、記者が見た昭和基地
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 日本から約1万4000キロメートル離れた南極大陸に、第64次南極地域観測隊が上陸した。

【映像】南極までの航海&現地の様子

 2022年11月11日、南極観測隊67人をのせた観測船「しらせ」が東京を出航。テレビ朝日から、報道局の吉田遥ディレクター(入社8年目)と、社会部の神山晃平記者(入社5年目)が同行した。

 昭和基地までの道のりは、蜃気楼やオーロラといった絶景に加え、自然現象との戦いでもある。バリ島付近では酷暑に悩まされ、南下を進めて「吠える(南緯)40度」「絶叫(南緯)60度」と呼ばれる暴風圏に入ると、波や風が強くなり過酷な航路となっていく。残り100キロメートルまで近づいてもなお、流氷に阻まれて、1時間で数キロしか進めない——。そして出航から1カ月あまりを経て、最後はヘリコプターで、12月22日に昭和基地へ到着した。

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 12月25日の『ABEMA的ニュースショー』では、昭和基地に滞在する吉田ディレクターと中継をつないだ。日本との時差はマイナス6時間。気温はマイナス3度だが、南極は真夏で直射日光があり、「日本の北海道より暖かい」と語る。

 吉田ディレクターが立っているのは「19広場」と呼ばれる、第19次観測隊が作ったエリア。夏季は地表の土が出ているため、建物の建築・解体作業がしやすいという。昭和基地には現在、第63次観測隊が30人ほど、第64次が50人ほど、あわせて約80人が滞在している。なお「しらせ」では電子メールしか使えなかったが、昭和基地では低速ながらインターネットが使えるそうだ。

 いまの季節、南極は1日中太陽が沈まない「白夜」。独特の気候により、観測隊の生活リズムにも影響が出るという。

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「まったく時間感覚がなくなる。夏期間に来る隊員たちは『働き過ぎないように』と言われる。一日中太陽が出ているため、自分の作業を明るいうちに終えようとしても、ずっと明るい。気付いたら深夜になっていることも結構あるようだ」(吉田ディレクター)

 観測隊は出発前に、南極に行くための「理髪研修」を行っている。越冬隊は1年半、昭和基地で暮らす必要があるため、たがいに髪を切りあったり、染めたりする必要があるのだ。またゴミの処理にも、厳しい決まりがあるという。

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「およそ30種類のゴミの分別がある。同じプラスチックでも『食べ物に触れたものは可燃』など、細かいルールがある。分別されたものは焼却棟で炭にして、ドラム缶に入れて、しらせで日本に持ち帰る」(吉田ディレクター)

 さらに、長い時間を過ごすため、意外なものが流行っているそうだ。

「南極経験者の方に何を持って行けばいいか聞いてみると、皆さん『けん玉』と言う。実際、しらせの中にも、昭和基地の中にもたくさんあって、1年半かけて練習して、本当に上手になっていく。私も帰国までにマスターできればいいなと」(吉田ディレクター)

 吉田ディレクターは、年内は昭和基地での隊員の生活を取材する。また、年明けからは標高の高いところで、氷から過去の気候変動を探る研究チームに同行する予定だ。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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