この男が勝つには、親番1回あれば十分なのか。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」1月19日の第1試合はEX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)がトップ。南4局の親番で倍満をツモるなど、トップ目セガサミーフェニックス・東城りお(連盟)と3万点以上あった点差を一気に逆転、放送席もその強さに仰天するほどだった。
この試合は東家から東城、KADOKAWAサクラナイツ・渋川難波(協会)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、松ヶ瀬の並びで開始した。松ヶ瀬は序盤、軽快にアガる東城の前に守る時間帯が続く。南1局3本場に4000点(+900点)をツモ、その後ラスに落とされるも、南3局で満貫をアガり、最後の親番を迎える。
南4局、10巡目にフリテンの五・八万待ちでリーチ。自身の最後のツモで高目三色同順となる五万を引き寄せ、リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・三色同順・赤2・ドラの2万4000点を決めると、一気にトップ目に立った。
さらに同1本場、ドラの北を雀頭に、赤が1枚ある平和をテンパイ。これを東城からロン、平和・赤・ドラ2の1万2000点(+300点)をアガると事実上トップは決まり。同2本場は渋川のアガリを確認して、+71.9の大トップを獲得。解説の朝倉康心(最高位戦)は「野獣どころか魔獣」と絶賛していた。
親番1回で大逆転、劇的な勝利にインタビューでは「ついてましたね、はい」と自分でもビックリといった様子。南4局、親倍満のアガリとなったフリテンリーチについては「もともとマンズに待ちの照準を合わせていて、フリテンリーチもやるつもりで構えて。五万を引いての四・七万が最高だなって思っていたんですよ」と、結果は五・八万待ちだが、狙い通りのマンズ待ちで、特大のアガリを掴んだ内容に満足げ。
最終局となった南4局2本場は、2着目東城がテンパイであれば自身はテンパイ宣言をせず、試合を終わらせるつもりだったと明かし、その理由としては「サクラナイツを3位に…」と、トータルスコアも考えて、戦略的な戦い方を見せたかったと語った。「2着はセガのほうが、僕たちにとっては都合が良い」とまで語った思考を聞いた視聴者からは「勝負の世界怖すぎ」「そういうことも考えなきゃいけないのか」「思考も含めてやっぱつええや」「なるほどねー理にかなってる」と感嘆の声が上がっていた。
試合前日、自身のTwitterでは、お手製のいくらの調理動画が登場。今期はこのいくらを食べた選手が次々に好結果を出していることもあり「イクラもつくるし、着順も操作するよ」「いくらのおかげ」といった声も投稿されていた。
太い腕を振りかざし、オーラスの親番だけで大逆転。それでもレギュラーシーズン突破に向け、細かいポイントも気に掛けるまさに“繊細なる超巨砲”。この男が好調な限り、チームが沈むことは考えにくい。
【第1試合結果】
1着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)5万1900点/+71.9
2着 KADOKAWAサクラナイツ・渋川難波(協会)3万3700点/+13.7
3着 セガサミーフェニックス・東城りお(連盟)1万7200点/▲22.8
4着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)-2800点/▲62.8
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)






