去年、話題になったAIがイラスト作成するサイトやアプリ。そのAIを使った新たなサービスが“Googleを凌駕するかもしれない”と注目を集めている。
去年11月に公開され、間もなく世界中で話題になった「ChatGPT」。日本では、まだ馴染みのないサービスだが、一体どのようなものなのか。ITジャーナリストの三上洋氏に話を聞いた。
「インターネット上にある何十億ものテキストを読み込んで学習させた人工知能モデル。このモデルに対して、人間がインターネット経由で質問したり、要約を依頼したりすることで学習して回答していく“対話型のロボット”だ」
チャット上でAIに質問をするシステムだという。実際、画面上に「東京」と打ち込むと、東京の詳細が出てくるなど、打ち込んだ言葉の詳細を教えてくれている。
「質問すると、システムが用意してある言語のモデルから学習した結果を出すというやり方だ。インターネットからの学習は既に終わっていて、その学習済みの人工知能の言語モデルが返してくれる。そこで計算をして、より自然な文章を生み出している。
例えば、『こんなシチュエーションでこういう環境の小説を書いてみなさい』みたいな質問に対してもその小説を作ってくれる」
「小説を書いて」と打ち込むと、誤った言葉使いをしている箇所もあるものの、小説を返してくれる。ニューヨークの学校では、こうした“文章作成が簡単になる”という理由で、ChatGPTへのアクセスをブロック。一方で、米・マイクロソフト社は、ChatGPTを作成した「OpenAI」社に、今後数年で数十億ドルの投資を発表するなど、AI技術の進化に様々な角度で注目が集まっている。
しかし、三上氏は「インターネットが大きく汚染される恐れがある」と懸念点をあげる。
「人工知能によって文章を作ることがとても簡単になり、その結果ウェブサイト上に人工知能を使った文章が大量に発生する。それの真偽はどうなのか。今でも間違ったものが出てきてしまうので、間違った文章が大量に生まれると、Googleはその結果を表示するだろう。さらに言えば、そのページから人工知能が学習して、嘘や不正確なものがまかり通る可能性がある」
あくまでインターネット上の情報を学習しているため、信憑性には難があるという。その上で三上氏は、このAIが“対話型”であることに注目する。
「いろいろな人がこの人工知能との対話を試みている。それによって更に学習精度が上がり、より正確でわかりやすい文章を出していくことができる。私たちが今まで手間を掛けてきた部分を人工知能がサポートとしてくれる時代が来る」
(『ABEMAヒルズ』より)
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