敗れてもなお、そのインパクトは抜群だった。8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」の本戦トーナメント準決勝第1試合、チーム深浦 対 チーム豊川が1月28日に放送された。試合はフルセットの末に、チーム深浦がスコア3-2で勝利、初の決勝進出を果たした。惜しくも敗れたチーム豊川だが、師匠・豊川孝弘七段(55)は今回も元気に得意のダジャレラッシュ。真剣勝負の合間に、ファンへ大きな笑いを届け続けた。
放送対局の大盤解説やイベント出演時、さらにはインタビュー時にも隙あらばダジャレを放り込んでくる豊川七段。聞き手やファンからしても、豊川七段が口を開いた瞬間、次は何が飛び出してくるかと思うほどだ。
大会初参戦で決勝進出目前まで迫った中、スコア1-1で迎えた第3局、豊川七段はチーム深浦・佐々木大地七段(28)と対戦することになった。第1局は深浦康市九段(50)との師弟対決に敗れていただけに、今回こそは勝って、決勝進出に王手をかけたいところ。気合と緊張が折り重なる対局直前、意気込みを聞かれたインタビューで、高速ダジャレラッシュがスタートした。
豊川七段 見ている方、ごめんなさい。緊張しちゃってて、ベン・ジョンソン(便所)行ってきたんですけど、まだ緊張してますね。キンチョール、本当に。なんとかいきます、吉幾三(よし、行くぞ)パート2!
もはやダジャレとダジャレが連結して、伝えるべきことの原型すら危うくなるほどだが、たしかに意味は通じている。これだけ出てくることを考えれば、何か用意しているというよりは、日頃からやっていることが、この緊迫した場面でさらに発揮されたと思うべきだろう。
これでもかと言わんばかりのダジャレラッシュに、ファンも「便所ンソン」「よく出てくるよね-まじでw」「流れるように入れ込む」と大笑い。試合には敗れ、今大会での決勝進出は逃したが、次回大会があればさらに将棋にもダジャレにも磨きをかけて、また帰ってくるはずだ。
◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)