八上姫
【映像】メタバーズ学校の様子
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 インターネット上の仮想空間メタバースを地方創生に活用する動きが始まっている。少子高齢化が進む地域にもまだまだ可能性が眠っているようだ。

【映像】メタバーズ学校の様子

 今月、全国の自治体で初めてメタバース専門の部署を設置し、アバター職員「八上姫」の採用を発表した鳥取県。八上姫はメタバース空間内で観光地やグルメなど、県の魅力を世界に発信する役目を担う。

 この他にも、メタバースを地方創生につなげようという動きが4月から始まる。

「まず一番やりたいと思ってるところは“働き方の自由度”というか、自由な働き方ができる人をもっと増やしたい。そういう意味で“エンジニアを育成する”というコンセプトがある」(株式会社〇・大瀧達生代表)

 AI関連の研修事業などを手掛ける株式会社〇(まる)は、メタバース上でのみ授業を行うメタバース情報工学学校を今年4月に開校した。

 AI・データサイエンスコースとゲーム・メタバースクリエイターコースの2つが用意され、エンジニアを目指すための知識を学べる内容となっている。授業は週4日、夜間に行われるため社会人でも参加しやすく、メタバース空間のため、どこにいても通うことができる。

IT人材確保も解決?メタバース学校でエンジニア育成→地方自治体の即戦力に
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「離れている場所にいても同じ空間にいるような、実際のリアルの現場の空間にいるような感覚で授業が受けられる。あと資料が大きく映るので見やすく、メタバース空間の中にパソコンが持ち込めるので実際にプログラムを組むこともできる」

 現役エンジニアの講師による授業のほか、地方自治体や企業との連携にも力を入れていく予定だというメタバース情報工学学校。最新技術を学び、即戦力となればさまざまな可能性が広がっていくと大瀧代表は話す。

「地元にITの産業がなかったり、IT人材がいないっていう現状がある。そうすると地元の物づくりや観光業、農林水産業がすごく強いけども、それが発展していかない。そういうところにITの技術が組み合わせると、新しく市場が開拓でき伸びていくと市場が大きくできる」

 地場産業の価値を自らの技術で最大化する、農業をしながらIT関係の副業を行うなど、卒業後の選択肢はさまざま。好きな時間・場所で働ける時代だからこそ、地方はエンジニアにとってブルーオーシャンとなり得るのかもしれない。

「地域に貢献していくような形でやっていくと、生活コストが下がったりする。ただ、エンジニアになれたら収入もアップすると思うので、そういう意味では環境も含めて暮らしは豊かになるのかなと」

石田健
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 メタバース上のみで授業を行うことは実際に効果はあるのか。ニュース解説YouTuberで「The HEADLINE」編集長の石田健氏は次のように話す。

「メタバースによって学習効率や学習効果が大きく上がるかっていうのは正直、現状ではまだわからない。というのも、メタバースのアプリケーションはいくつか出ているが、メタバースを提供しているMetaやMicrosoftとか含めて、彼らも『これがキラーなアプリです』っていうのを出せてるわけではない。ゲームではかなりヒットしてるものとかも出てきたが、まだまだ学習における効果、教育を受ける効果というところは未知数」

 効果的な学習ができるかについてはまだわからないところはある。その他にメタバース上で学ぶことについての課題として、フィードバックをする環境と学習の最適化が必要と石田氏は述べた。

「メタバース云々以前の話で、実務的にどうなのかというところ。例えば、学校で授業を受けて家に帰って宿題をやってっていうモデルは19世紀からあって、大学に行ってもレポートを提出してもフィードバックが返ってくるケースはほとんどない。本来、そのフィードバックによって学び、それを改善していくことで学習効果が高まっていくにもかかわらず、まだそんなことやってる。授業と宿題の時間を反転させる学習を始めていかないと、効果がある学習はできないはず。その先のメタバースに行く前に『この教育意味あるんだっけ』『この学習したら意味あるんだっけ』っていう所をまず解決していく必要がある」

IT人材確保も解決?メタバース学校でエンジニア育成→地方自治体の即戦力に
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 では、市区町村は外部のデジタル人材をどれくらい活用できているのか。

 総務省の調査によると、デジタル人材の活用について「無い」と答えた団体が大半を占めている。また活用が無いと答えた団体の多くが活用の移行については未定で、活用する方向で検討していると答えた団体は1倍ほどに留まった。

 一方で、IT人材の需要についてIT人材の需要は年々増えていくとみられ、需要が供給を上回り最大79万人が不足する可能性があるという。これについてIT人材の確保が求められるのか。

「地方自治体でいうと、少子高齢化だったり、それに伴う人口の減少によって、なかなか自治体の業務が適正化できていない。つまり、非常に非効率のままだからこそデジタルITが必要になってくる。ただ同時に、それがIT人材確保したらできるのかというと、日本全国で足りていないので高単価を提示するしかない。そうすると、逆に自治体が高単価でデジタル人材を集められるかというとおそらく無理だろう。例えばだが、日本内だけで競争するのではなく、外国人も含めて呼んでくるとか、そもそも育成の体制を整えるとか、新しいところから育てたり発掘したりするところが一つキーになってくるんじゃないか」

(『ABEMAヒルズ』より)

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