将棋の棋王戦コナミグループ杯五番勝負は2月18日、石川県金沢市の「北國新聞会館」で第2局が指され、挑戦者の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が渡辺明棋王(名人、38)に132手で勝利し、シリーズ2連勝でタイトル奪取に王手をかけた。11連覇を狙う渡辺棋王と、棋王初挑戦・奪取で最年少六冠獲得を目指す藤井竜王による注目の五番勝負。第3局は3月5日、新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」で行われる。
【映像】解説陣が歓声を上げた藤井竜王の「ロマンのある角打ち」
藤井竜王が超混戦を制し、六冠獲得へ王手をかけた。渡辺棋王の先手番で始まった本局は、開幕局と同じ角換わり腰掛け銀の戦型に。先手から手を変えて前例を離れたが、渡辺棋王はその後の変化に不満があったか直後に1時間29分の長考に沈んだ。その後は銀桂交換、互いの大駒が行きかう激しい展開となったが、形勢は混沌。長く難解な中盤戦が繰り広げられた。
超難解な形勢ながら、後手玉には竜がぴたりと守備に着き藤井竜王がわずかに抜け出すことに成功。渡辺棋王は力強い指し回しを見せていたが、藤井竜王が2枚の角で先手玉ににらみをきかせるとABEMAの「SHOGI AI」は藤井竜王側へと傾き出した。こうなっては、もう藤井竜王は止まらない。優位に立つと、桂打ちから包み込むように先手玉に迫り、ぐいぐいとリードを拡大。藤井竜王は最後まで強手を重ねて詰みに打ち取り、2勝目をもぎ取った。
終局後、藤井竜王は「長考した場面(62手目、1時間49分の長考)で間違えてしまって、そのあとは自信のない局面が続いていた。飛車を打って攻めて行ったんですけど、攻めが細くなってしまったので受けに回って指すべきだったかもしれない。かなり判断の難しい局面が続いて、最後まで難しい将棋だった」とコメント。一方、カド番に立たされた渡辺棋王は「午後に入ってからすごく難しい将棋だったが、一気に攻めていったのが結果的にまずかったか…。中盤が長い将棋で、漠然とした局面が多かった将棋だった。いろいろ難しかったが、最後は時間もなくなってわからなくなってしまった」と振り返った。
この結果、シリーズは挑戦者の藤井竜王が連勝を飾り2-0に。本五番勝負で奪取に成功した場合、史上最年少の六冠王が誕生するが、藤井竜王は「スコアは意識せずに、全力を尽くして指せれば」とあくまで冷静な様子。苦しい星取りとなった渡辺棋王は、「目の前の一局という気持ちでやっていきたい」と語った。
このまま挑戦者の藤井竜王がストレートの3連勝で奪取を決めるか、渡辺棋王が巻き返すか。運命の第3局は3月5日、新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」に予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)