アトレティコ・マドリードのスペイン代表FWアルバロ・モラタが、レアル・マドリードに所属するFWヴィニシウス・ジュニオールを巡る人種差別問題に言及した。22日、スペイン紙『アス』が伝えている。
ここ最近のラ・リーガで、度々話題に上がる人種差別問題。以前からこの問題は蔓延っており、アスレティック・ビルバオに所属するFWイニャキ・ウィリアムスやバレンシアに所属するDFムクタル・ディアカビなども被害を受けていた。とりわけ、ヴィニシウス・ジュニオールに対する人種差別は日を追うごとに悪辣さを増している。レアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督も「スペインサッカーの問題」と警鐘を鳴らした。
これまでに3つのリーグとスペイン代表でプレーしてきたモラタ。プロとして公式戦通算500試合以上に出場している同選手は、ヴィニシウスを巡る人種差別問題について「彼だけでなく、みんなに起こっていることだ。アウェイの試合では、侮辱されるし、あらゆることが横行している。サッカーがあればそれでいいのに…」と嘆き、「ヴィニシウスだけが被害に遭っているわけではない。彼の話題がメディアで取り上げられているから、そのように見えるだけで、多くの人に、そして華々しい若手選手にも起こっていることなんだ。僕たちのチームや監督は(報道の)外で屈辱的な言葉を浴びせられている。誰もが楽しめるサッカーであるべきだ」と自身の見解を示した。
またモラタは「人種差別は容認できないし、理解できないし、サッカー界に決してあってはならない。そのような行為をした人は、二度と中に入れないようにするべき。スタジアムには子供がいて、スポーツだからライバルの存在もいるけど、それら全てがサッカーなんだ」と差別主義者に対する厳格な制裁を主張した。
モラタもかつて、SNSなどで誹謗中傷を受けた他、自身の家族にまで謂れのない言葉を浴びせられていた。同選手は「いくら頭と体を整えても、『死ね』と言われたり、奥さんや子どもが『死ね』と言われているのを知ったら、複雑な気持ちになるだろ。だからこそ、ヴィニシウスだけに焦点をあてるのではなく、毎週末、どこのピッチでも起こっていることとして認識して欲しい。これは、この国が抱える問題だよ。プレミアリーグを例に出すなら、そんなことをしたら、その人は退場して二度とスポーツ観戦に足を踏み入れられない」と改めて人種差別問題の現状を明かしている。