久保建英

 バルセロナがレアル・ソシエダ所属の日本代表MF久保建英に関心を寄せているようだ。23日、スペイン紙『アス』が伝えている。

 現在21歳の久保はバルセロナやFC東京の下部組織で育成年代を過ごした後、2019年夏にレアル・マドリードに加入。しかし、世界各国のタレントを数多く擁する同クラブで出場機会を得ることはできず、マジョルカ、ヘタフェ、ビジャレアルへのレンタル移籍を繰り返した。迎えた昨年夏の移籍市場でレアル・ソシエダに完全移籍で加入。今シーズンはここまで公式戦26試合の出場で4ゴール7アシストを記録している。

 ラ・リーガ3位に付ける好調のチームにおいて、中心選手として躍動感あふれるパフォーマンスを披露している久保。そんな同選手に対し、かつて育成年代を過ごしたバルセロナが関心を寄せているようだ。報道によると、バルセロナは久保のこれまでの活躍を高く評価しており、チームを率いるシャビ・エルナンデス監督も同選手の獲得を熱望しているという。バルセロナ側はすでに久保の代理人に接触し、レアル・ソシエダとの契約状況についての相談を行った模様。バルセロナは今後も調査を進め、獲得の可能性について見極めていくものと見られている。

 しかし、久保のバルセロナ復帰に向けては課題が山積しているようだ。レアル・ソシエダは久保を重要な選手と位置付けており、同選手を売却する意思は全くない模様。仮に他クラブが獲得を目指す場合、6000万ユーロ(約85億円)と伝えられている契約解除条項の支払いが必須になるという。久保自身もレアル・ソシエダでの現状に充実感を覚えており、同クラブでのプレー継続を希望しているようだ。

 また、バルセロナが抱える深刻な財政難も獲得に向けた大きな障壁になる可能性が高いという。『アス』によると、仮にバルセロナが今シーズン終了後の夏の移籍市場で久保の獲得に乗り出す場合、現有戦力の中の大物選手を高額で売却することが必須になるようだ。バルセロナは今後も久保の動向を注視していくものと見られているが、現在の状況では夏のオファー提示は困難であると『アス』は指摘している。

 なお、レアル・マドリードについては現段階では久保の復帰については検討していない模様。仮に再獲得に乗り出す場合には、契約解除条項の50パーセントを支払うか、レアル・ソシエダとの価格交渉に臨まなければならないという。いずれにせよ、昨年夏の売却額600万ユーロ(約8億5000万円)をはるかに上回る資金が必要となる可能性が高いようだ。