日本の国民食ともいえる「おにぎり」に関するツイートが話題を呼んでいる。
「友人が泊まりに来た時のこと。母が握ったおにぎりは食卓に出たとき、友人が『食べれない』と一言。実は半数近くの人は他人が握ったおにぎりは食べられないそうです。皆さんは食べれますか?」(実際のツイート)
【映像】ラップもNG? 賛否を呼んだ投稿(ツイート画像あり)
この投稿には賛否両論が集まり、3万いいねの大反響を呼んだ。ニュース番組「ABEMA Prime」でも独自にアンケートを実施し、6万人以上に回答してもらった。
結果は約半分の人が「他人が素手で握ったおにぎりはNG」と回答。実際に「食べられない」という当事者に話を聞いた。
会社員のたな。さん(28)は「母親と妻、信頼できる人と料理のプロ、それ以外はちょっと無理だ」と話す。
「ラップで包んだとしても嫌だ。生活感あふれる料理は、やっぱりその人の生活を想像してしまう。『申し訳ない』と思っても手が伸びない。学生時代、マネージャーがきれいなおにぎりを作ってくれたが食べられなかった。汚いとかそういう感覚ではなくて、感覚的に食べたいけど食べられない」
飲食店は「衛生管理をちゃんとされているプロが作ったもの」だから、食べられるという。それが、アルバイトであっても「雇われたプロだから大丈夫」だと話す。
握る側はどう感じているのか。定番から変わり種まで15種類のおにぎりを提供する、東京・中目黒のOnigily Cafeを取材した。
Onigily Cafeでは、オープンした10年ほど前から手袋と型を使って作っているという。代表の竹内未来氏も「購入いただく方に安心してもらいたい」といい、「ちょっとでも菌があれば、増殖して、3〜4時間後に食べるときにアウトになりかねない。温もりとか言っている場合じゃない」と細心の注意を払っていると明かす。
コロナ禍も相まって清潔志向が高まる今、浮上したおにぎり問題。県立広島大学の向居暁教授も「他人のおにぎり調査」を行った研究者の一人だ。
実際にデータを見ると、握った相手によってパーセンテージが違っている。向居氏は「データが少なくて断言できない」とした上で「他人が作ったおにぎりへの抵抗感には、生理的な衛生意識と、信頼関係が影響している」と話す。
「前者は、汚れることを過剰に恐れたり、洗浄行為をする脅迫傾向があったりする。汚れに対して強く『きれいにしたい』と思うか。また、公衆トイレなど病原体が付着しやすい状況に不快感を抱くかどうか。後者は、ある特定の個人ではなく、本当に一般的な人に対する信頼度だ」
その上で、向居氏はラップや手袋を用いても食べられない人について「『世の中にはそういう人もいる』と理解するしかない」とコメント。
過去の嫌な思い出がきっかけで食べられなくなる人はいるのだろうか。
「研究の範囲外でちょっと分からないが、実際はあるかもしれない。ただ、一般的に嫌悪感は『食べ物から始まった』と言われている。苦味や酸味を防ぐために、嫌だと吐き出す反応から始まった。それが病原体嫌悪になって、道徳的な嫌悪までいく。経験的な要素もきっとあると思うが、正直分からない」
脳科学者の茂木健一郎氏は「脳は一発学習だ」と指摘する。
「たまたま何かを食べたときに、体調が悪くなったとする。例えば、牡蠣にあたって、その後、牡蠣が食べられなくなる人がいる。他人が作ったおにぎりが食べられない人は、何かおにぎりじゃない『他人が作ったもの』を食べて、お腹を壊したことがあるのかもしれない。それで脳が学習して『ダメだ』となっている可能性もあると思う」
(「ABEMA Prime」より)
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