中村敬斗

 LASKリンツに所属しているFW中村敬斗が、5日に行われたオーストリア・ブンデスリーガ第20節のWSGティロル戦でチームを勝利へ導く1ゴール1アシストを記録した。

 長期に渡るウィンターブレイクを経て、2023年2月から再開したオーストリア・ブンデスリーガ。中村はLASKに欠かせない左ウイングに定着し、第17節のSCRアルタッハ戦から2試合連続ゴールを決めていた。5日には2連勝を目指して敵地でWSGティロルと対戦。中村は7試合連続のスタメン出場を飾っている。

 試合は22分、背後からのロングフィードで裏を取ったイブラヒム・ムスタファがループシュートを決めてLASKリンツが先手を取る。続く34分にもLASKリンツ。右サイドから斜めのパスを入れ、前線で落としを受けた中村が、ファーストタッチで対峙した相手を置き去りにしてペナルティエリアへ侵入。2タッチ目でシュートコースを作り、ゴール右へと流し込む。2試合ぶりとなる中村のゴールで、LASKリンツが2点をリードした。

 しかし、前半終了間際の45分にはセットプレーから1点を返されると、後半の立ち上がりにもゴール前でのこぼれ球を押し込まれ、試合は振り出しに戻った。

 その後は退場者を出したWSGティロルに押し込まれる時間もあったが、徐々にLASKリンツが流れを取り戻す。こうして迎えた後半アディショナルタイム、LASKリンツが勝ち越しに成功。右サイド深い位置からの折り返しがファーサイドに流れると、狙っていた中村がダイレクトで中央へ繋ぐ。最後はロベルト・ジュリが押し込んだ。シュートはGKにストップされたものの、ボールがゴールラインを完全に越えていたため、LASKリンツの得点が認められる。試合終了間際に中村のアシストで勝ち越しに成功し、このままタイムアップを迎えた。

 この試合、中村は8度突破のドリブルを仕掛けて成功率100%、チャンスクリエイト回数は5回と攻撃の中心として素晴らしいパフォーマンスを披露。公式戦通算でのゴール数は「14」に到達した。これで、2016-17シーズンと2018-19シーズンに当時ザルツブルクに在籍していた南野拓実(現:モナコ)が記録した、オーストリアのクラブに所属している日本人選手の最多ゴール数に並んでいる。また、中村はオーストリア・ブンデスリーガに限定しても今季の得点数が「11」となっている。これは南野が2016-17シーズンに記録したゴール数と同じだ。

 次節は12日に行われ、LASKリンツは現在オーストリア・ブンデスリーガで首位を走るザルツブルクをホームに迎える。

【スコア】
WSGティロル 2-3 LASKリンツ

【得点者】
0-1 22分 イブラヒム・ムスタファ(LASKリンツ)
0-2 34分 中村敬斗(LASKリンツ)
1-2 45分 ユスティン・フォルスト(WSGティロル)
2-2 46分 ヴァレンティノ・ミュラー(WSGティロル)
2-3 90+1分 ロベルト・ジュリ(LASKリンツ)