【侍ジャパン強化試合】日本代表8-1阪神(3月6日/京セラドーム大阪)
あまりにすごいものを見ると人は声が出なくなる。そんな瞬間が野球で訪れることはめったにないが、この男ならありえるのが恐ろしい。エンゼルス・大谷翔平投手が「3番・DH」でスタメン出場すると3回の第2打席に3ラン、さらに5回の第3打席にまたも3ランと、2打席連発の計6打点と大暴れした。ABEMAで解説を務めた西岡剛氏は、どん詰まりでもセンター越えした2本目を見て「何、今の」とポツリ。さらに川崎宗則氏は言葉が見つからず絶句した。また球場も打った瞬間こそ大歓声が沸き起こったが、大谷が生還するころには喜びを通り越して、あまりの事態にざわめき始めてしまった。
【映像】メジャー経験者2人が呆れて絶句した大谷翔平の2打席連続HR
2人とも日本、アメリカでプレーをしてきた一流選手だからこそ、目の当たりにした衝撃映像には、興奮よりも信じ難いという感情の方が上回ってしまったのだろう。2021年に46本塁打を放った大谷の会心のホームランは2人も何度も見た。昨年も34本塁打を放ち、2年連続30本超えを果たし、メジャー屈指の長距離砲の仲間入りした大谷が、どれだけ飛ばしても驚かない。ただし、会心ではない当たりでのホームランは話が変わってくる。
第2打席に放った“膝つきホームラン”からして非常識だ。低めのフォークをすくい上げて打ったが、フィニッシュでは左膝がグラウンドについた。それでも打球はバックスクリーンに向けて一直線。本人も「確信歩き」する一発で、今回の侍ジャパンで記念すべき1号を放った。
1本で終わらないから大谷だ。第3打席はフルカウントから真ん中高めのストレートに詰まったが、今度は力で弾き返した。毎年トレーニングを積み、少しずつ大きく強くした体だからこそ打てたホームラン。ファンからも「なんなんだよこれは」「宇宙人やん」「次元が違うわ」というコメントが集まった。
球場のファンは正直だった。予想のはるか上を行く2本塁打に、両手を挙げて大喜びしたのも束の間、あまりの事態に人によっては手で顔を覆い、信じられないといった表情。陽気に解説していた川崎氏が言葉を失うほどだから、仕方のないところだ。
約5年半ぶりの国内試合出場で、史上最強と呼ばれた侍ジャパンの各選手が引き立て役に見えてしまうほど、圧倒的な力を出した大谷。この先、どんな景色が見られるだろうか。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
侍ジャパン強化試合
ABEMA テレビ朝日系列にて生中継
2.25(土) VS ソフトバンク
3.3(金) VS 中日
3.6(月) VS 阪神