ネット通販の拡大などで宅配需要が高まる中、来年4月よりトラックドライバーの時間外労働が「年間960時間」と上限が課されることで生じる“物流業界2024年問題”。これによって我々の暮らしが変わるかもしれない。
全日本トラック協会によると現在、労働時間が上限の960時間を超えるドライバーは全体のおよそ27%、長距離トラックに限ればおよそ48%もおり、大きな影響を受ける。
起こりうる変化としては、「今まで1日で配送できていた荷物が翌日に繰り越される」「すぐ届いていたAmazonなどの配送もいつ届くかわからなくなる」「せっかく頼んだお取り寄せ品が届く前に賞味期限切れになる」などが想定される。
さらに、2030年には全国の約35%の荷物が運べなくなるというデータもあり、これまで同様の配達がこなしきれず、配送の遅れが懸念されているのだ。
大手宅配業者で働いていたお笑いコンビ・アンバランスの黒川忠文は「不在時の荷物の再配達がいつまで無料でできるだろうか。今のままでは良い環境が作れない」と警鐘を鳴らす。
「物流業界には若い人が入って来ず、人手不足はずっと深刻な問題で年齢が60オーバーの方がすごく多い。960時間の規制が入ってくると長時間働いて稼ぎたいという人も来なくなり、さらに人手不足が加速する。若い人が入ってくる環境を作りつつ、賃金が上がって魅力ある職業になればいい」(黒川)
また、「無料配送など、荷物を出荷される側からの要望が強すぎる点」についても懸念を示した。
これを聞いたお笑いタレントのFUJIWARA藤本は「宅配がないと生きていけないくらい、頼りにしている」と心配を口にした。
深刻な未来の課題、「20XX年問題」は他にも山積している。
「橋の2033年問題」=日本にはおよそ70万の橋があるが、建築後50年を超えた道路橋の割合がおよそ6割になる見込み。大規模な工事が必要になる。
「トンネルの2033年問題」=全国1万本あるトンネルのうちおよそ4割が建設後50年を超える。
「コーヒーの2050年問題」=地球温暖化が続くと2050年にはコーヒー栽培に適した土地が大幅に減り、世界で最も多いシェアを誇るアラビカ種の栽培地が現在の50%に減ってしまう。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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