徳川家康の末裔、家広氏「相続税に涙」「法事は年に20〜30回」 家系を継ぐ“当主”の役割とは?
【映像】「法事は年に20回〜30回」徳川宗家19代当主に聞く!家を継ぐって大変? 重圧は
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 6日、都内で将軍・殿様サミットが行われ、江戸時代に活躍した偉人たちの子孫が現代でどのような生活を送っているのかなどが明かされた。

【映像】すごーい! 徳川家の家系図(画像あり)

「今年は、大河ドラマが徳川家康公ということで、私もよくわからないような渦に巻き込まれた日々を過ごさざるを得ない」(徳川家広氏)

 2023年1月に父から家督を継ぎ、徳川宗家の第19代当主となった家広氏。初代・家康から400年、脈々とつながる名家とあって、その家系図は壮観だ。

 ニュース番組「ABEMA Prime」では、徳川家康の末裔・家広氏に、家系を守る意義について聞いた。

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 2023年1月に先代の父親から60年ぶりに代替わりした徳川家広氏は「私も6カ所、国内を回ってご先祖様に報告した。息子は私だけだったので、自分が継ぐことになるとは思っていた」と話す。

 後を継ぐと何をしなければいけないのか。

「今はなるべく法事法要には出るようにしている。18代が父でまだ存命している。奥方も入ってくるので、法事だけで年間20〜30回になる。私が後を継いだばかりなので、ちゃんとやっていく。あと、家康公のご命日が4月17日だ。2015年から、4月17日に久能山東照宮で、5月17日に日光東照宮で大祭が毎年ある。そこで衣冠束帯を着て私が祭司をする」

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 400年、19代にわたって脈々と広がり続けてきた家系。「徳川・松平の会」では、年に1回集まり、60人ほどの親戚が和気あいあいと話すという。

 先祖代々のことは幼少期から教えられるのか。

「まったく教えられなかった。ただ、町内に両親両方の実家があって、小さい頃はおじいちゃん、おばあちゃんからしきりに昔話を聞いていた。私は小学生のときはアメリカにいた。帰ってきて、日本語を忘れていたから、漢字で苦しんだ。一番難しい漢字が集まっているのが日本史だから、なるべく避けるようにして生きていた。日本史はとにかく難しい。大学生になって司馬遼太郎さんの小説を読んで、そこから入った。司馬さんは徳川家康公の悪口を一生懸命書いていたから」

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 家広氏は勤務先で出会ったベトナム人の女性と国際結婚。紀州徳川家には女性の当主も登場している。多様性や家族のあり方、結婚や出産など、今の時代についてどのように受け止めているのか。

「私はやっぱり幸福追求権が一番大事だと思う。憲法が制定された当時は、結婚はだいたい親が決めていた。結婚は、本当は両人の同意に基づいて行うものだ。時代は変わった。最近、同性婚絡みでよく出てくるが、私はどんな形もありだと思う。幸福追求権中心に『好きな人と一緒にいたい』と思えば、それに尽きるのではないか」

 現在の主な職務について「文化財の管理になるのか?」と聞かれると、家広氏「結果としてそうなってしまった」と回答。

 文化財はどこまでが徳川家のものになるのか。

「うちにあるものは全部うちのものだ。歴史資料ではない。ただ、うちにあると大変なので、徳川記念財団を父が作った。今はあらかた財団に入れたところだ。文化財保護のための国の予算は微々たるもので、なかなかうちには回ってこない。自力で守っていかなくてはいけない」

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 国や行政が関わって文化財を守る体制にはならないという家広氏。

「明治維新の後、うちは静岡に移った。半分ぐらいの家宝は、そのときお世話になった久能山東照宮に寄付した。大正時代には放火にも遭った。一方で、父個人の名義になっている文化財も相当数ある。展示会も一昨年ぐらいまでは精力的にやっていたが、だんだんよく分からなくなってきてしまったので、財団に入れて『もう一回データベースを作ろう』となっている。今後2〜3年は、展示会はできない状況だ」

 文化財の名義が父から家広氏に移る際、何か国からの優遇はあるのだろうか。

「優遇はない。相続税はきっと惨たらしいことになるのだと思い、日々泣いている。ただ、散逸しないように、父が公益財団法人を作って文化財をすべて移した」

 作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏が「相続すると、どんどん資産は減っていく。日本はそういう仕組みになっている。徳川家にジレンマはないのか」と聞くと、家広氏は「特にない」と話す。

「ただ、父からは『ちゃんと続けてね』と言われている。父は養子で入っているのだが、私の曽祖父からは『何も言われなかった』と言っていた。だが『やっぱりちゃんと続けてほしいと思っていたと思う』とも言われた。こういうふうに言われることのほうが重い。毎日家訓を暗唱させられていたら、やっぱりグレてしまうと思う」

(「ABEMA Prime」より)
 

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