チャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)セカンドレグが8日に行われ、ミランはトッテナムと0-0で引き分けた。この結果、2戦合計スコアを1-0としたミランが11シーズンぶりに準々決勝へと進出。試合後、ミランのフランス代表GKマイク・メニャンが『スカイ・イタリア』のインタビューにてその喜びを明かした。
14日に本拠地『サン・シーロ』で行われたファーストレグは、スペイン人MFブラヒム・ディアスが決勝ゴールを挙げ、ミランが1-0で勝利していた。迎えたセカンドレグ、ミランは攻めては積極的に2点目を奪いにいく姿勢を絶やさず、守っては集中力の高い守備でゴールを許さない。後半アディショナルタイムにはセットプレーからトッテナムのイングランド代表FWハリー・ケインに強烈なヘディングシュートを許したが、ここはGKメニャンのビッグセーブで難を逃れた。試合はこのままタイムアップ。ミランが2戦合計スコアでの“逃げ切り”に成功していた。
試合後、メニャンは「とても嬉しいよ。ミランのファンはこの日を待ち望んでいたはずだ。CLでの挑戦を続けられることほど幸せなことはない」と明かしたが、そこにはミランの歴史を踏まえての想いがある。というのも、ミランは2013-14シーズンを最後に7シーズンもの間CLの舞台から遠ざかっていた。メニャン自身がチームに加入したのは2021年夏のことで、直後の2021-22シーズンからミランはCLに“復帰”。メニャンはクラブの歩みを振り返りながら、「今ではCLに出ることは毎シーズンの目標の1つになっているが、ミランは長い間この大会に出られなかった。このような過去を振り返ると、今は本当に幸せさ」と言葉を発した。
また、ミランは前身のチャンピオンズカップ時代も含めると、これまでに7度のCL制覇を成し遂げてきた。この数字はレアル・マドリードに次いで2番目に多い優勝回数だ。メニャン自身も“ミラニスタ”がCLという大会に特別な感情を持っていることを知っている。「このクラブにやって来た日、『カーサ・ミラン』のミュージアム内にあるすべてのトロフィーを見た。“CLで戦うミラン”というのはヨーロッパでサッカーを見る者なら誰しもが知ってるはずだ。クラブにとって特別な大会なのだから」と語った。
一方で、メニャンは今のミランの“立ち位置”も把握している。「これから先のことは1試合ごとに考えていかなければならない」と目の前の一戦に向けて気を引き締めた。「抽選結果が出ないと今後のことは何もわからないが」と前置きした上で、「セリエAのサレルニターナ戦が先だ。まずはこの試合のことを考えたい」と話している。
そして、ふくらはぎの負傷で長期離脱を強いられていたメニャンにとって、CLのピッチに立つのは昨年9月14日に行われたグループE第2節ディナモ・ザグレブ戦以来のこと。2月26日に開催されたセリエA第24節のアタランタ戦でゴールマウスに戻ってきた“守護神”は、改めて周囲の人々への感謝も口にした。
「1秒でも早くピッチに戻りたかったが、ケガで試合に出られなかった。とても苦しかったよ。この5カ月間、身近で支えてくれた人たちに感謝したい」