アルベルト・ザッケローニ氏

 一時は意識不明の状態に陥っていた元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏が、集中治療室(ICU)から一般病棟へと移ったようだ。9日、『スカイスポーツ』や『トゥットスポルト』など複数のイタリアメディアが伝えている。

 ザッケローニ氏は先月10日、イタリアのチェゼナーティコにある自宅で転倒し、地面に頭を強打。救急隊員の到着時にはすでに意識を失っており、即座に救急車でチェゼーナ近郊のマウリツィオ・ブファリーニ病院に搬送された。CT検査を受診した結果、状態が深刻であることが判明し集中治療室(ICU)へと収容。その後、頭部の血腫を取り除く手術を受けたと報じられていた。

 術後の経過が心配されていたザッケローニ氏だが、容体が改善し、ICUでの治療を終えたようだ。報道によると、現在ザッケローニ氏はチェゼナーティコにあるマルコーニ病院のリハビリテーション科に入院しているという。同氏の容体は改善されたものの、依然と予断を許さない状態であることに変わりはないと伝えられている。

 現在69歳のザッケローニ氏は、イタリア北部ロマーニャ地方に所在する町メルドラ生まれ。現在も居住するチェゼナーティコには、幼少期に転居した。16歳の時に肺の病気に罹り、若くしてプロサッカー選手の道は断念。1983年、30歳の時に当時セリエC2だったチェゼナーティコの監督に就任して本格的に指導者の道を歩み始めると、その後はウディネーゼやミラン、ラツィオ、インテル、トリノ、ユヴェントスといったイタリアの名門クラブの監督を歴任した。

 2010年には日本代表の監督に就任。パスワークを主体とする攻撃的なサッカーを指向し、同国代表を2011年のAFCアジアカップや2013年の東アジアカップ制覇に導いた。しかし、“ザック・ジャパン”の集大成として臨んだFIFAワールドカップブラジル2014では、1分2敗で無念のグループステージ敗退。大会終了後に日本代表の指揮官を退任し、その後は北京国安(中国)やUAE代表の監督を務めていた。