【WBC・1次ラウンド プールB】日本代表−チェコ(3月11日/東京ドーム)

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドのチェコ戦にロッテ・佐々木朗希投手が先発。最速164kmを記録するなど160km超えを連発したが、2死二塁から悪送球で1点を失う立ち上がりとなった。

 東日本大震災からちょうど12年となる3月11日、日本代表「侍ジャパン」栗山英樹監督が先発マウンドに送ったのは、12年前のこの日に自身も被災し父と祖父母を失った佐々木朗希だった。岩手県陸前高田市に生まれた佐々木は、県立大船渡高校在籍時に球速163kmを記録すると「令和の怪物」と称され脚光を浴びる。プロ入り後1年間はじっくり体を作り、2年目に3勝を記録。そして3年目の昨季、4月10日のオリックス戦で20歳5か月という史上最年少で完全試合を達成。しかも同時に世界記録となる13者連続三振、NPB記録に並ぶ1試合19奪三振もマークしている。

 名実共にトップ選手の仲間入りを果たした佐々木は、3大会ぶりの世界一奪還を目指す侍ジャパンメンバーに選ばれると、3月4日の強化試合で大谷翔平投手(エンゼルス)がもつ日本人最速タイの球速165kmを記録。最高の仕上がりでこの日の試合を迎えていた。

 WBC初戦の中国戦は“二刀流”大谷の活躍などで勝利。2戦目の韓国戦も打線が爆発し連勝を収めた侍ジャパン。3戦目にして、投手としての素材は大谷以上とも言われる佐々木がとうとうベールを脱いだ。 
(C)Getty Images

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