
【WBC・1次ラウンド プールB】日本代表-チェコ(3月11日/東京ドーム)
世界一を目指す野球日本代表「侍ジャパン」の佐々木朗希投手(ロッテ)が、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンド3戦目のチェコ戦で先発。WBC初登板で4回途中まで66球を投げ2安打1失点8奪三振のピッチングを見せた。
アマチュアリーグの選手が中心でありながら10日の中国戦で歴史的な勝利を挙げて意気上がるチェコ代表に対し、佐々木は立ち上がりから速球主体のピッチング。1回に2死二塁から悪送球で1点を失ったものの2つの三振を奪うと、続く2回も2奪三振。3回はヒットと四球のランナーを出すも無失点に抑えるなど、結局3回3分の2を投げ規定投球数に達するまで打たれたヒットは2本、8個の三振を奪う見事なピッチングで先発の役目を果たすと、2番手宇田川優希投手(オリックス)にマウンドを託した。
この日は12年前に東日本大震災が起きた日。岩手県陸前高田市出身の佐々木本人も小学生だった当時被災し、父親と祖父母を亡くしている。「3月11日は毎年、特別な日」と語る佐々木が、3大会ぶりの世界一奪還を目指す侍ジャパンの先発マウンドに上がったのは偶然ではないだろう。栗山英樹監督の思い、被災地の思い、日本中の思いを乗せたボールで三振の山を築く佐々木の姿は、WBC初登板とは思えない落ち着きを見せていた。
昨季入団3年目にして史上最年少となる完全試合を達成し、先だって行われた侍ジャパンの強化試合では大谷翔平投手(エンゼルス)に並ぶ日本人最速タイとなる球速165kmを記録した佐々木朗希。最速164kmの速球とフォークのコンビネーションで8つの三振を奪ったWBC初登板も世界に強い印象を与えるものになったと言えるだろう。
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