【WBC・準々決勝ラウンド】日本代表9-3イタリア(3月16日/東京ドーム)

 みんなが「生き返れ村上」と願っていた。日本代表「侍ジャパン」の村上宗隆内野手(ヤクルト)が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝イタリア戦でセンターオーバーのツーベースを含む2二塁打を放ち、復調を印象づけた。 

 準決勝から舞台をアメリカに移すため、WBCで世界一を目指す侍ジャパンにとって日本での最後の試合となったイタリア戦で、1発こそ出なかったものの悩める三冠王がついに復活を果たした。日本は5回、この回先頭の大谷翔平が四球を選び出塁すると、続く吉田正尚の死球で無死一、二塁としてこの日5番に入った村上の打席を迎えた。村上は初球、やや低めのボールをきれいに打ち返すと、鋭い打球がセンター方向に飛ぶ。そのまま打球はセンターの左を大きく超えてフェンスに到達。一塁から大谷を迎え入れるタイムリーツーベースとなると、二塁塁上で村上は何度も手を叩き、両手を上げて喜びを爆発させた。

 村上以上に喜んだのがベンチだ。村上が苦しんでいたのを痛いほどわかっているチームメートたちが、ベンチで自分のこと以上に力強くガッツポーズ。スタンドに詰めかけたファンも待ってましたといわんばかりに大きな歓声を送った。

 村上は続く打席でもレフトを襲うツーベースを放ち、完全に復調したよう。表情にも明るさが戻ってきた。この試合の活躍にSNSでも「村上ついにきたああああ!!」「待ってたぞー村上!」「村上ここぞという時に蘇りましたね」「うるっとくる」「アメリカでも頼んだよ」「アメリカで大暴れしてきてください」といったコメントが踊った。

 村上はここまで1次ラウンド4戦すべてに4番でスタメン出場するも、20打席で14打数2安打の打率.143と深刻な不調に陥っていたのは明らか。2006年の第1回WBCで、同じように極度の不振に陥っていた福留孝介に対し、実況アナが「生き返れ福留!」と絶叫したことを引き合いに、いつしか「生き返れ村上」という応援の声がSNSで見られるようになっていた。それもあってこの日はSNS上に「村上生き返った!」のワードが殺到。さらに、トレンドワードには久々に「村神様」の文字も上がっていた。
(C)Getty Images

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