【WBC・決勝】日本代表3-2アメリカ(3月21日・日本時間22日/ローンデポ・パーク)

 14年ぶりに成し遂げた世界一の瞬間は、マウンドではなく仲間たちと一緒に見届けた。パドレス・ダルビッシュ有投手が8回、6番手として登板し1回2安打1失点で踏ん張り、9回にエンゼルス・大谷翔平投手にマウンドを託した。2009年、2度目の優勝を果たした際には9回に失点し追いつかれ、延長10回に勝ち越した後、最後を締めて優勝投手に。今回は頼もしい後輩が最強アメリカを抑え切った瞬間を見て、歓喜の輪へと向かっていった。

 チーム最年長36歳。MLB組としては唯一、2月の宮崎合宿から参加し、投手だけでなく野手とも交流をはかり、自分の技術や知識をどんどんと伝えていった。現在もメジャーのエースとして活躍する先輩の言葉は、後輩たちにとって何よりの財産。しびれる戦いの中でどんどんと仲間がたくましくなっていった。

 ダルビッシュ自体は決して本調子ではなかった。この試合でも8回の1イニングを任されたが、2点差だったところソロアーチを浴びて1点差に。その後もピンチを招いて苦しんだが、マウンド上で表情を崩すことなく冷静に投げ続けると、最小失点に留めて大谷へとバトンを渡した。

 前回の優勝では、先輩ストッパーもいた中、スクランブル登板を託された。今回は先発、第2先発、そして中継ぎと自らフル回転。そして最後には大谷という投打二刀流でフル回転する後輩がいたことで、イニングをまたいで投げることなく、信じてベンチで見守れた。前回とは違い、様々な思いを持って、優しい笑顔も見せながら戦ってきたダルビッシュ。「前回の感情があんまり覚えていないです。本当にすごい興奮しました。とにかく楽しく野球をしていることをファンに見てもらうのが大事だと思っていて、それプラス結果がついてきてよかったです。(胴上げは)感無量というかそんな感じで、すごく気持ちよかったです」。優勝後に見せたのも、そんな笑顔だった。
(C)Getty Images

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