＜大相撲三月場所＞◇十二日目◇23日◇大阪・エディオンアリーナ大阪
前頭五枚目・翠富士（伊勢ヶ濱）と関脇・若隆景（荒汐）の一番で、若隆景の厳しい攻めに翠富士が抜群の身体能力で耐える白熱の勝負を繰り広げた。翠富士が見せた土俵際の驚異の粘りに解説者も「あれを残すのはすごい」と絶賛した。
初日から10連勝を果たし、十一日目に今場所初黒星を喫したものの、優勝争いのトップを独走していた翠富士。十二日目の取組では、立ち合い正面から当たっていくと、中に入った若隆景が厳しい攻めを展開。引いたり押したりと仕掛けてくる相手に、翠富士は何度もピンチを迎えたが、抜群の運動神経で残して善戦した。
土俵際で引き落とされそうになった際は、蹲踞のような体勢で堪える場面も。だが最後は上手出し投げを決められ、翠富士は前のめりにダイブ。惜しくも2敗目となる黒星を喫した。勝った若隆景は6勝目を挙げた。
白熱した一番に、ABEMAで解説を務めた元小結・千代大龍の明月院秀政は「パッとすぐに出るのかなと思ったんですけど、落ちないのがすごいですね」と相手の猛攻を耐えた翠富士を称賛。続けて「最初のあたりは翠富士の方が良かったんですけど、相手に右を入れさせたのがダメだったですね」と敗因を分析すると、翠富士が蹲踞の姿勢で耐えたシーンをVTRで見ながら「ここを残すのもすごいですよ」と評価した。
激しい相撲となった翠富士と若隆景の攻防を受けて、視聴者も「いやぁ盛り上げてくれた」「これはおもしろい」と大興奮。敗れた翠富士の取組内容について「負けたけど強いな」「こんなに足動く力士おらんど」「運動神経もすごい」「この速さによくついていけてるな」と称賛の声も相次いで寄せられた。
なお十二日目の全取組を終えて、敗れた翠富士は2敗の小結・大栄翔（追手風）と並ぶことに。3敗に小結・琴ノ若（佐渡ヶ嶽）、小結・若元春（荒汐）、関脇・霧馬山（陸奥）の3力士が並び、優勝争いは混とんとした様相を呈してきた。（ABEMA『大相撲チャンネル』）
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