レフェリーが勝者を間違える痛恨のミス。まさかの事態に敗者も「え、オレじゃないでしょ?」と困惑気味の自己申告。一方の勝者は「オレの勝ちだよね?」と3人揃ってキョトン顔を浮かべるコントのような珍事が発生。首を傾げるレフェリーにツッコミの声が殺到した。
3月24日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 10」。チョーファー・トー・センティアンノーイ(タイ)とシャーゾット・カブトフ(キルギス)の対戦はフルラウンドの激戦の末にチョーファーが判定勝利を収めた。しかし、直後にレフェリーが勝者を間違える前代未聞の珍事が発生。会場に歓声とブーイングが沸き起こった。
昨年ONEデビューを果たしたカブトフは、キャリア6連勝を飾るも前回の判定負けからの復帰戦。対する地元タイのチョーファーは29歳のベテランファイター。100勝の実績が目を引くが、ONEでは現在2戦連敗中。「3度目の正直」でONEでの記念すべき一勝を目指すリングに上がった。
試合を通じてどっしりと構え、強烈な蹴りを見せるチョーファーに対して、スピンキックなど多彩な蹴りでアグレッシブな攻撃を展開するカブトフ。手数はカブトフ、威力と有効打はチョーファーといった印象で勝負は最終3ラウンドへ。
3ラウンド、開始とともに前に出るカブトフだが、近い距離で強烈なミドルやパンチ、ヒジが当たりだしたチョーファーの圧が徐々に強くなる。しかし、終了間際に回し蹴りを当て、最後までアグレッシブな攻めを見せたカブトフはポイントで上回ると確信。一方のチョーファーも「オレが勝った」とガッツポーズを見せて勝負の行方は判定に委ねられた。
この日のABEMAゲスト解説・後藤丈治も「ミドルを当てていたのはチョーファー選手ですが、クリーンヒットが多かったのはカブトフ選手だと思う」とカブトフを支持。ジャッジも「チョーファー」「カブトフ」「チョーファー」と割れ、チョーファーが接戦をものにした。
しかし、ここでアクシデントが発生。「勝者はチョーファー」のコールに何故かレフェリーはカブトフの腕をあげて指を差し「彼が勝った」とアピール。
この珍しいミスにカブトフは「???」と困惑した様子。レフェリーも変な空気に気付き首を傾げながら「いや、君の勝ちだ」と本来の勝者であるチョーファーの手を慌ててあげ直した。
「オレの勝ちでしょ?」チョーファーはレフェリーと目を合わせてハグ。いかにもバツが悪そうなレフェリーも「ごめんね」と言った様子でポンポンとチョーファーの肩を叩いた。
まさかのミスに地元タイのファンからは歓声とブーイングが。滅多にない勝者を間違える痛恨のエラーに視聴者からも「レフェリーが首傾げてどうするねん」「まるでコント」といったツッコミが続出した。