FIFA ワールドカップ カタール 2022以降、鎌田大地は絶好調だった今季前半戦から一転して不調に悩まされている。24日に行われたウルグアイ代表との親善試合でも先発起用されたが、期待以上のパフォーマンスは披露できなかった。
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ウルグアイ戦での鎌田のパフォーマンス
鎌田はこの試合4-2-3-1のトップ下で先発起用された。攻撃時は4-2-3-1を基本に偽サイドバックシステムを使いながら中盤に厚みをもたらし、守備時は4-4-2の陣形をとる可変システムを採用。鎌田は攻撃時は1トップの浅野拓磨の下に位置し、守備時は浅野と並んでブロックを形成することが多かった。
個人のパフォーマンスは決して良いと言えるものではなかった。時折みせる前線からのプレスは機能していたものの、少し落ちて守備をしていた際は守備の軽さが際立っていた。鎌田が前線から中央へのパスコースを切って、遠藤&守田の守備のタスクを分散させているという見方もできるが、ウルグアイの同じポジションに入っていたバルベルデを見ると物足りなさを感じた。
日本がボールを保持している時のポジショニングも、まだまだ伸び代があるだろう。チームが偽サイドバック戦術を用いたため、鎌田が得意とする運びや配給を行うスペースがなくなっていたのに加え、ウルグアイの中盤の選手たちが鎌田が位置している場所でブロックを形成していたため、やりにくさがあったことが予想される。
ボールを要求する際には相手ゴールに背を向けている場面が多かったためボールが入らず、入っても前を向けない状況だった。21分に鎌田が前を向いて菅原にボールを供給した場面では鎌田は半身でボールを受けている。やはり鎌田は前を向いたときに真価が発揮されるようだ。堂安や三笘と共存は難しいとされる意見もあるようだがそれに関しては心配無用である。「(三笘)薫はこの4年間の日本代表で一番の武器になると思う」と話しており、うまくボールを引き出し、前を向くことができれば鎌田ー三笘のホットラインが完成するかもしれない。
ウルグアイのキャプテンが見せたワールドクラス
先述したウルグアイ代表MFのバルベルデは、この試合では圧巻のパフォーマンスを見せた。攻守に渡ってハードワークし、自ら得点を決め、フリーキックでもチャンスを作った。鎌田が目指すべき地点を目の前で見せられたようだった。バルベルデは試合中、絶えず味方選手に指示を送っていた。一方で鎌田からはジェスチャーはあまり見られなかった。こういったところにも差が出ているのだろう。もっと自らを主張し、チームの中心になっていくことが求められる。鎌田大地はそのポテンシャルを持っているはずだ。
背水の陣で臨むコロンビア戦
日本代表は次戦、28日にコロンビアと対戦する。ウルグアイ戦でベンチ外だった久保建英が練習に復帰したことやウルグアイ戦で鎌田と交代した西村拓真がゴールを奪ったことを考えると、鎌田は厳しいレギュラー争いを強いられそうだ。
ウルグアイ戦を欠場した久保建英は「サイドバックが中に入る形で、ウイングが落ちて低い位置でボールを受けたら相手にとっては脅威にはなりません。ウイングや中に早い選手をおくのであれば、高い位置に張っていた方がいいと思いました。試合に出たら、縦の推進力を意識してプレーしたい。4-3-2-1の強みはトップ下にある程度自由を与えられた選手がいることで、その選手がオンザボールで違いを見せて一人二人を剥がしていくというのが僕の理想としている選手像でもあります」と現在の日本代表の状況を分析し、気合も十分だ。
久保らとの正当なポジション争いを繰り広げることで各々のレベルアップが期待される。鎌田が不動のレギュラーを掴んだとき、日本代表はさらに強くなっているだろう。
(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)
(C)浦正弘