将棋の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議が、4月1日に放送される。今年もドラフトで14チーム、エントリートーナメントで1チームの計15チームが結成され、スリリングな対局とユーモアあふれるチーム動画は必見。お笑い界屈指の将棋好きとして知られるサバンナ高橋茂雄は、ドラフト完全予想で夢のピタリ賞を狙う。副賞は『日本将棋連盟1日会長になれる権利』とあり、「強権を発動してやりたいことがある」。棋士にとっても大歓迎であろう“やりたいこと”とは――。
公式戦にはない持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算という超早指しのフィッシャールールは、スピード感に溢れ実にスリリングだ。一方、チーム3人で戦いに向けて絆を深めるチーム動画は、各棋士のカラーがよく反映されるものとしてトップランナーたちの意外な一面や新人棋士のお披露目の場としても注目を集めている。
高橋茂雄（以下、高橋） 「普段は個人戦を戦う棋士の先生方がチームになって戦うという時に『この人とこの人、こんな会話するんや！』と棋士の素顔がめっちゃ見えるところと、対局が短い時間で見られるので、公式戦やタイトル戦と違った見方で将棋を楽しめるところが魅力だと思います。
対局を見守っている楽屋のシーンとか、動画でいろんなことをやっているところも見どころだと思います。どうやってチーム動画の企画決めてるんだろう…。不思議ですよね。普通のバラエティだとMCと演者がいるんですけど、仕切りを入れずに棋士3人に行かせて…。普通で考えたらグダグダになるじゃないですか。でもそのグダグダのところが面白いところなのかもしれないですね。
チームの雰囲気で言うと、渡辺先生のチームはいつも面白いですよね。渡辺先生の忖度なく本音で話される感じが。野球のWBCを見ていて、村上選手が打てない時に『ドンマイって言われるより、もっと早く打てよって言われたい』って発言されていましたよね。渡辺先生もそういうタイプだと思うんですよ。冷静な分析と『なにやってんだよ、あそこは違うよ。お茶飲めよ』って普通に言ってくれるところが、一番やりやすいんじゃないかなと思いますね」
4月1日に放送されるドラフト会議。高橋から見ると、ベテランの活躍に新星の登場と、指名の傾向は複雑化の一途をたどっているという。前回大会では藤井聡太竜王（王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20）がレジェンド級の先輩棋士2人を指名したことが話題になったが、まさかの予選敗退。藤井竜王自身も『ABEMA師弟トーナメント2022』出場時に「反射神経、年々落ちてきているので」と口にしたことが大きな話題となった。メンバー予想をする上で、高橋にはどのように見えているのだろうか。
高橋 「藤井竜王の去年の指名は胸アツでしたよね。一番強い人に指名されるってめっちゃくちゃ嬉しいと思うんですよね。藤井竜王のために何とかしたいと思うけど、今まで自分のやってきたものも変えられへんし…という風に戦っていく姿もエモかった。予選落ちとなりましたけど、僕の見立てではスケジュールの影響だと思いますね。とても常人じゃない動きをしているじゃないですか。やっぱりどんな人でもあまりにスケジュールが忙しかったら、パフォーマンスは落ちちゃうと思うんですよね。
ABEMAトーナメントがいつ収録しているかは明らかにされていないですけど、いつやっているかがわかったら予想は変わってくると思います。『このスケジュールの間にやっているのか、3日間余裕あるんだ、ならば1日だけフィッシャーに時間を費やすことも可能だな』とか。でも逆に『移動日の間に入れてるの！ちょっと待ってよ！』みたいなところに入れていたら、『人間なんですから！無理やろ…』とか思いますよね。だから僕は藤井竜王が衰えているというところは全くないと思います！」
超ハードスケジュールをこなす藤井竜王をはじめ、トップ棋士たちのあまりに過酷な日常に、高橋は居ても立っても居られない様子。そこで注目したのが、ドラフト完全予想のピタリ賞『日本将棋連盟1日会長になれる権利』だという。
高橋 「僕の想像ですが、ABEMAトーナメントの収録は長時間ですよね。自分のチームが出ていない時の待ち時間がめちゃくちゃ長いと思うんです。棋士にはマネージャーもいないので『この時間からこの時間で』と交渉して調整してくれないと思うのでめちゃ長いはず。僕は棋士の先生方を憂いてますよ！だから、僕が日本将棋連盟の1日会長権を獲得したら、全員のケアをもっとしてあげたいんですよ。楽屋でお弁当食べてるじゃないですか。しかも対局と対局の、収録中に食べてますよね。素顔として面白いですけど、もっと何とかしてあげて！って思います（笑）。
1日会長の強権を発動して、皆さんの待ち時間と楽屋での過ごし方の向上、ケータリングの充実に心血を注ぎたいですね！たぶん、棋士の先生方誰も文句言わないと思います。対局で深夜になるのと、待ち時間で深夜になるのでは感覚違いますからね！」
棋士への溢れる愛が源となる高橋のドラフト完全予想はどのようなものになるのか。リーダーたちの予想はもちろん、高橋の予想的中にも大注目が集まることになりそうだ。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
