スキンケアだけでなく、メイクをする男性も若い世代を中心に広がり、美容市場が盛り上がりを見せている。
街で話を聞くと
「肌の手入れは、導入化粧水して乳液する」(20代社会人)
「化粧水と乳液。それぐらいは当然」(高校生4人組)
「導入化粧水と化粧水、美容液、乳液、日焼け止めはやっている」(20代新社会人)
若い世代の間では、今やスキンケアは当たり前になっているようだ。さらに、メイクをする男性も広がりを見せている。
「(メイクをする男子は)クラスにいる」(男子高校生)
「涙袋を描いたり、シャドウをいれたりしている」(別の男子高校生)
彼女を連れた、20代新社会人の男性は、
「メイクはたまにする。青髭消すぐらいは」
彼氏の美容意識が高いことをどう思っているのか。彼女は肯定的に受け止めている。
「すごいなと思う。私の方が(彼の)使っている化粧品を逆に教えてもらっている」
調査会社のインテージによると、男性向け化粧品の市場規模は2022年に425億円となり、5年前に比べて約1.3倍に拡大。メイクアップ市場規模は17億円とまだ小さいが、5年間で2倍以上に伸びている。
メーカー側も、メンズ美容市場の広がりを意識した商品開発や発信に力を入れている。
花王は2022年12月、Z世代の男性をターゲットにしたメンズメイクのブランドを立ち上げた。
資生堂からも2022年夏、アジアのZ世代男性に向けた新たなスキンケアブランドが誕生。
コーセーは、美容液や化粧水の広告に大谷翔平選手や羽生結弦選手を起用し、「性別を問わずに使える」というメッセージを発信している。
渋谷ロフトでは、2階の美容関連商品売り場のなかにメンズ美容のコーナーをつくっている。
「2022年度のメンズケアアイテム全体の売り上げが、コロナ前の2019年度に対して約2倍伸長している」(ロフト広報の高橋祐衣さん)
さらに、高橋さんは売り上げが伸びた理由を推測した。
「コロナ禍になり、おうち時間が増えたことで自分をケアする時間も増えた。また、リモート会議などでご自身の顔がカメラに映ることにより、メイクやスキンケアを気にする方が多くなっている印象」
渋谷ロフトで扱っている、メンズ美容関連の商品は500種類以上。化粧水や洗顔料などスキンケア関連のほか、塗ると黒から自然な赤みへと変化するリップや定規がついた眉毛用のペンも揃えている。
「乾燥肌が気になるので、化粧水を見に来た」(男性買い物客)
「今日はメンズネイルを見に来た。そんなに目立たないのがいいかなと思ったが、『メンズの王道は黒』と書いてあるので、黒もいいかなと思いつつ迷っている」(別の男性買い物客)
男性K-POPアイドルの人気やSNSで美容情報に手軽に触れられることも、メンズ美容の広がりに影響しているとみられている。
「(近年)コスメに関しても、性別の垣根がなくなってきた。同じコスメを男女でシェアする方も増えている。いろんな方が使いやすいコスメや、お客様に合ったものを提案していけたらと思っている」(ロフト広報の高橋祐衣さん)
脱マスクが進み、素顔になる機会が増えると見込まれる今後、メンズ美容市場はさらに広がっていきそうだ。
容姿を気にする男性はなぜ増えたのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターでキャスター取締役CROの石倉秀明氏は、次のような見解を述べた。
「僕はしていないが、気をつけたいとか気になる人はどんどんやったらいい。周りにもネイルや脱毛をしたり、眉毛を整えたりする男性が増えた。よくよく考えてみると、香水やヘアワックスは元からあったわけで、それがメイクにまで広がっている」(石倉氏、以下同)
40歳の石倉氏は、気にする人としない人では見た目に差があると語っている。
「(見た目が)若い人とおじさんだなと思う人は、同窓会に行っても結構分かれる。気にしない人は残念ながら、おじさんになると清潔感から少し遠くなっていく。そういう人が気を付けていくことはいい傾向だし、社会に不快感を与えなくていいのでは」
さらに、男女で効果の差が出るとも推測した。
「(スキンケアを)しない男性は多いから、保湿ケアをするだけで女性よりも効果の差は結構でかいかもしれない」
(『ABEMAヒルズ』より)
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