ユリアン・ナーゲルスマン氏

 チェルシーは、バイエルンを解任されフリーとなっているドイツ人指揮官のユリアン・ナーゲルスマン氏の招へいを画策しているようだ。2日、イギリス紙『イブニング・スタンダード』やイギリスメディア『スカイスポーツ』などが伝えている。

 チェルシーは昨年9月にトーマス・トゥヘル前監督を電撃解任し、ブライトンからグレアム・ポッター監督を引き抜いた。チャンピオンズリーグ(CL)では準々決勝進出を果たしているものの、プレミアリーグでは28試合終了時点で10勝8分け10敗(就任後は7勝7分け8敗)で勝ち点「38」にとどまり、4月1日に行われた第29節アストン・ヴィラ戦に0-2で敗れ、順位が11位に後退したことで、2日にポッター監督の解任を発表した。

 コーチを務めていたブルーノ・サルトール氏が暫定ヘッドコーチとしてチームを指揮する予定であることが明らかになっているものの、後任には注目が集まっている。

 すでに現在フリーのマウリシオ・ポチェッティーノ氏やルイス・エンリケ氏のほか、スポルティングのルベン・アモリム監督などが後任候補に挙げられているが、先月バイエルンを解任されたナーゲルスマン氏が最有力候補となっているようだ。

 報道によると、昨年12月からチェルシーでテクニカル・ディレクターを務めているクリストファー・ヴィヴェル氏が、ナーゲルスマン氏とライプツィヒ時代に一緒に仕事をして関係性が良好であることも影響し、チェルシーは同氏の招へいを検討しているという。

 なお、ナーゲルスマン氏自身もチェルシー就任に前向きではあるものの、バイエルンを解任されたことにショックを受けていることやその理由を分析するために休息を求めていることが報じられており、すぐに次の仕事を始めるかは不透明となっている。そのため、チェルシーはサルトール暫定ヘッドコーチのまま今シーズンを終え、今夏からのナーゲルスマン氏を招へいすることも視野に入れていることが伝えられている。

 しかし、移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏によると、ナーゲルスマン氏を後任の最有力候補に挙げているチェルシーには障壁もあるという。

 2021-22シーズンからバイエルンを率いていたナーゲルスマン氏は2026年までの契約を結んでいた。先月24日に解任されたものの、ドイツ紙『ビルト』では違約金として同契約の残りの期間の全てを負担することになった場合、総額2370万ポンド(約39億円)となることが報じられている。最終的な金額については、今後交渉が行われる予定となっているが、新天地が決まった場合にはこの金額を新しいクラブが代わりに支払う可能性もある模様で、その補償金をめぐってチェルシーはバイエルンと交渉する必要が求められているようだ。

 今後クラブ内での会議を行なった後に後任の招へいに向けて正式に動き出すと見られているチェルシーだが、果たしてナーゲルスマン氏を招へいすることになるのだろうか。