これを運命と呼ばずに何と呼ぶ!?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議が4月1日に放送された。3期ぶりの優勝を狙う永瀬拓矢王座(30)は、3人での競合の末に4期連続で相棒こと増田康宏七段(25)を獲得。あまりの強運に、視聴者からも驚きの声が多数上がっていた。2巡目には「事前に“相棒”にお聞きして、自分の判断で決めました」と本田奎五段(25)を指名。「今期は決勝まで連れていってあげないと、まっすーもそろそろ怒ると思います(笑)」と構想通りの布陣に満面の笑みを浮かべた。
この絆は3人競合のくじ引きでも打ち砕けなかった。永瀬王座は、団体戦として開催された第3回大会から3期連続で増田七段を指名。前期は1/2のくじ引きを引き当て、見事、意中の人を獲得して見せた。永瀬王座が全幅の信頼を寄せるチームの主軸とあり、今期はコンビ崩しを狙うリーダー陣から、糸谷哲郎八段(34)、初参戦の千田翔太七段(28)が増田獲りに参戦。それでも永瀬王座が“黄金の右腕”で当たりくじを引き、「被るのは知っていたので仕方ないですが、増田さんとはそういうつながりがあるんだなと思いました」と絆の強さをより一層強調する結果となった。
前回大会では、驚異の10連勝をマークした増田七段とあり、「今一番ABEMAトーナメントに向いている方」と太鼓判を押す。2巡目で獲得した本田五段についても、「前々回、三浦(弘行)九段に指名されていてフィッシャーの経験もありますし、普段研究会で指しているということもあります。本当に研究が深いので、一緒に勉強して強くなれればと思います」と期待。さらに、増田七段とは事前に相談していたと言い、「本田五段が適任ではないかなと」と事前にチーム構成を考えていたことも明かした。
ここまでの構想が練られていたとあれは、すでにチーム動画の案も!?増田七段と言えば棋界でも指折りの筋トレマニアとして知られているが、「筋トレをするつもりはないので、しません(笑)」とピシャリ。「最近自分が少しハマっているウォーキングか。毎年恒例の(永瀬王座の実家の)ラーメン屋に来ていただく方向になるのでは」と、ここでもブレない姿勢を示した。
望み通りのチーム編成となった永瀬王座が目指すは、もちろん優勝だ。「4年前が藤井(聡太竜王)さんと組んで優勝させていただいて、その後はベスト4が2回。前回の増田さんは筋肉以上に将棋の仕上がりが良かったと思いますが、自分が不出来だったのが申し訳なくて。その点はすごく責任は感じました」とポツリ。「今期は決勝まで連れていってあげないと、まっすーもそろそろ怒ると思います(笑)」。全幅の信頼を寄せる“相棒”と3期ぶりの頂点へ、新メンバーと三人四脚で突き進む。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)