ファンへのサービスを忘れないエンターテイナーが今年選んだのは、レジェンドとイケメンの新鋭だった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議が4月1日に放送された。糸谷哲郎八段(34)は1巡目、重複抽選に外れた後、レジェンド森内俊之九段(52)を指名。2巡目には昨年4月にデビューしたばかりの徳田拳士四段(25)を指名した。「森内九段は機会に並びなき人。徳田四段は見たい方も多い」と、指名理由を説明。前回は過激なチーム動画に居飛車・振り飛車を交えた将棋で魅せたが、今年は幅広い年齢層と、様々な居飛車でファンを楽しませる。
糸谷八段は1巡目、まず増田康宏七段(25)を取りに行ったが3人重複ではずれ、次の指名でも近藤誠也七段(26)を指名したが再び3人がかぶり、またはずれた。「厳しい事実を突きつけられました」と苦笑いしたが、そこで指名を決めたのが、前年に指名するも重複はずれで逃した森内九段だ。「居飛車党の本格派で棋界に並びなき人です」とタイトル12期、永世名人の有資格者でもあるレジェンドの獲得には大満足だ。
2巡目はガラリと雰囲気を変えて、デビュー2年目を迎えたばかりの徳田四段を選んだ。デビュー1年目から47局指し、36勝11敗。11連勝も達成し、いきなりインパクトを残した期待の若手だ。さらに自他ともに認めるイケメン棋士としても注目され始めている。「関西の若手の中でも非常に高い勝率を残していまして、やはりみなさん見たい方も多いだろうと指名させていただきました。実力的にはまだまだかもですが、これだけ勝っている棋士は見たい方も多いと思うので」と、まだ放送対局などの機会が少ない徳田四段を、広くお披露目する意味合いもあるという。
糸谷八段といえば、過激なチーム動画でも知られるところ。過去にはバンジージャンプ、ゲテモノ食い、火渡り、滝行など、他の棋士たちが後ずさりするような内容が続いた。ただ今回は大先輩・森内九段がいるだけに、棋士とは思えないほど体を張るような内容にはならないはず。様々な指し回しで相手もファンも困惑に陥れる糸谷八段だけに、チーム動画の新手にも注目だ。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)