一見すると無駄なもの。けれどもギリギリ役に立つ―。そんな発明品の数々が話題を集めている。「社会に無いものを生み出したい」と話す発明家の男性を取材した。
カズヤシバタさん28歳。「ギリギリ役に立つ」をコンセプトに、ユニークな発明品を数多く生み出す発明家だ。その作品を撮影した動画をSNSに投稿したところ、大バズリ。中には再生回数が300万回を超えるものもあるという。
どんな発明品があるのだろうか。シバタさんが開発した発明品を教えてもらった。
「現代人って(常に)片手にモノを持っていて忙しい。そういうとき、片手でペットボトルのふたを開けようとしても中々開かない。そこでご紹介したいのが『ペットボトルキャップオープナー』です」
「ペットボトルキャップオープナー」。使い方はペットボトルにバンドを巻きつけ、本体を装着。電源をオンにするとペットボトルのキャップが自動で開いた。閉めたいときには再びボタンを押すだけだという。時間に追われる現代人にピッタリな優れものなのかもしれない。
続いてシバタさんが紹介したのは、寒い時期に欲しくなるかもしれない発明品だ。
「寒い時期になると、コンビニや自販機でコーンポタージュ缶が飲みたくなるのではないでしょうか。そういう時にピッタリなのが『つぶつぶトルネード』。使い方は穴が空いた部分に缶を装着するだけ。その後は持ち手の黄色いボタンを押すとコーンが回転、粒がどんどん上昇してくるのでボタンを離して一気に頂きます」
他にも、“3分待てば”自動で割り箸を割ってくれる『全自動割り箸割り機』なんてものもあるという。まさに、ギリギリ役に立ちそう…?といった発明品の数々。シバタさんがモノづくりに興味を持ちはじめたのは3歳のころだった。
「父親が工事会社の社員で、家に工具や機械がいっぱい転がっていた。それを触り始めたのが最初だった。(印象的だったモノは)小学校一年生の図工の時間に作った“OLなりきりキット”というものがちょっと校内でバズった。『誰がもらうかじゃんけんしようぜ』みたいなことがあって『モノづくりってこういう方向にも広がるんだ』と感動した記憶がある」
現在、発明家とエンジニアの二刀流で生活しているシバタさん。アイデアは、日々の生活での気付きからヒントを得ているそうだ。
「『不便だな』よりも『なんかわかる!』という共感があったときに、即座にメモを取って保管している。そこから『発明にすると面白そう』という発想を広げている。(“ギリギリ”を攻める理由は) “何かを解決する”という軸は外したくないから。その上で、世の中にないものを作ろうとしたとき、すごく役に立つものだと大企業が先に押さえている。そこで、大企業の人たちが企画段階で『役立たないだろう』と切っている部分を代わりに作ろうと思った」
唯一無二の発明家であり続けたいと話すシバタさん。最後に、今後の目標を聞いた。
「街中で自分の発明品を全く知らない人が使っているところを見てみたい。そのために、発明品を少量だが量産して、誰かに売るか貸すなどしたい。小ロットでも作れる工場の実現が直近の夢です」
シバタさんの“ギリギリ役に立つ発明”について、『ABEMAヒルズ』に出演したニュース解説YouTuberで「The HEADLINE」編集長の石田健氏は「短期的に役立つかはわからないというのが“肝”になるのでは」として考えを明かした。
「企業は短期的に役立つものに投資したがる傾向があるがゆえに“今はパッとしないが大化けするかもしれないもの”を見逃す可能性がある。シバタさんはお金儲けを考えてないからこそ、周りを驚かせるような発想が生み出せるのではないか。テクノロジーの発展として考えても可能性があると思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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