将棋の藤井聡太叡王（竜王、王位、棋王、王将、棋聖、20）が4月11日、第8期叡王戦五番勝負の第1局で挑戦者の菅井竜也八段（30）に147手で勝利した。3連覇を目指す藤井叡王と、6期ぶりのタイトル奪取を狙う振り飛車党・菅井八段による注目のシリーズ。感想戦後のインタビューでは白星発進に笑顔を見せるとともに、対局中に注文したおやつの味を問われ「対局中にぴったりの甘いおやつで、美味しくいただきました」とはにかみながら語る場面もあった。
六冠保持者として年間を通じてタイトル戦の重要対局をこなす藤井叡王が、タイトル戦で初めて振り飛車党と激突する注目のシリーズ開幕局。注目の戦型は先手居飛車、後手三間飛車の対抗形となった。菅井八段が先手に9筋の位を取らせてから角道を止め、早々に前例を離れる力勝負へと展開。藤井叡王が「序盤で（端歩の）位を取る形になったが、それを活かす組み立てというのが難しかった」と振り返った通り、難解な中盤戦へと発展した。菅井八段の持ち味でもある意欲的な指し回しも見られ、「指していてもわからないところの多かった一局だった」と語ったが、作戦面のわずかなほころびをとがめて中盤で厚みを築き、藤井叡王が着実にリードを拡大させていった。
ABEMAの「SHOGI AI」は“藤井曲線”を描き、徐々に先手の勝利が近づいていることを知らせる。終盤では、菅井八段が「飛車を寄られる手が見えていなかった」と振り返った意表の一手で突き放し、緩急自在の指し回しで堂々王者の貫禄を示した。開幕を白星で飾った藤井叡王は、「良い形でシリーズのスタートを切ることができて嬉しく思います」とコメント。「時間配分だったり課題もあったかなと思いますので、第2局以降より良い将棋にできるように頑張っていきたいと思います」と柔らかな笑顔を見せた。
さらに感想戦後インタビューでは、叡王戦主催社の菓子メーカー「不二家」から提供されているおやつの味について問われる場面も。こちらは藤井叡王にとって意表の質問だったか、笑いを交えながらも「本当にいちごがたっぷりで…、下のタルトの生地もチョコになっていたと思いますが、何というか、対局中にぴったりの甘いおやつで、美味しくいただきました」と『たっぷり苺のショコラタルト』の“食レポ”を披露した。
ABEMAの中継で解説を務めた木村一基九段（49）は、藤井叡王の表情に「おやつの感想に苦戦しているような感じでしたね。意外なことを聞かれると戸惑うんですね。きっと甘くて疲れた脳を癒すには良かったんでしょうけけど、ここで聞かれるかなと意外に思ったんでしょうね」とコメント。藤井叡王のリップサービスに、ファンからも「おお食レポきたw」「苦戦してるのかわいいw」「これは完売だわ」と多くの声が寄せられていた。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
