ブンデスリーガ
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 日本人選手が多く在籍するドイツ・ブンデスリーガ。そもそもブンデスリーガはどのような経緯で立ち上がったのでしょうか?本稿ではリーグの歴史や仕組み、その魅力などを紹介します。

ブンデスリーガとは

 ブンデスリーガとはドイツのプロサッカーリーグの名称で、最高位カテゴリの1部リーグは18クラブで争われています。

 歴代最多32回の優勝を成し遂げているバイエルンを筆頭に、ドルトムントフランクフルトなど日本人にもお馴染みのクラブ、シャルケシュトゥットガルトなど深い歴史を持つクラブなどが有名です。

 欧州4大リーグの中で最も多くの日本人選手がプレーしてきたのがブンデスリーガであり、彼らは将来を嘱望されるスーパースター候補や強豪国代表クラスの実力者たちとしのぎを削ってきました。ブンデスリーガには現在もFIFAワールドカップカタール2022にも出場した日本代表選手が数多く在籍しており、日本人にとって馴染みの深い欧州のトップリーグと言えるでしょう。

ブンデスリーガの歴史

ブンデスリーガの創設と発展

 ドイツで初の全国リーグとなるブンデスリーガが創設されたのは、欧州4大リーグの中で最も遅い1963年でした。1962-1963シーズンまでは5地域に分かれてセミプロのリーグ戦(レギオナル・オーバーリーガ)が行われ、それぞれの優勝クラブと準優勝クラブが集まるトーナメントで国内チャンピオンを決めていました。全国リーグ化初年度には64クラブから加盟申請があり、そこから選抜された16クラブによってブンデスリーガが開幕し、1963-1964シーズンに初代王者となったのはケルンでした。

 また、創設当時は旧西ドイツ域内のクラブだけがブンデスリーガに参加していました。旧東ドイツではDDRオーバーリーガという別のリーグ戦が開催されていました。ブンデスリーガが真の意味でドイツの全国リーグとなったのは、東西ドイツ統一後の1991-1992シーズンからです。旧東ドイツからブンデスリーガ1部に初めて参加したのは、ディナモ・ドレスデン(現在3部)とハンザ・ロストック(現在2部)でした。

 旧西ドイツで全国規模のプロリーグ創設の声が高まったのは、1950年代に有力選手を他国のプロリーグに引き抜かれてしまい、クラブや代表チームの国際競争力が低下したからとされています。ブンデスリーガ創設後、西ドイツ代表は1966年のワールドカップで準優勝を果たすと、1970年大会は3位、1974年大会で2度目の優勝と世界を席巻します。

ブンデスリーガで活躍した日本人

 ブンデスリーガでは多くの日本人選手たちも活躍してきました。最初にブンデスリーガでプレーした日本人は奥寺康彦で、1977年から1986年にかけてケルン、ヘルタ・ベルリンブレーメンの3クラブを渡り歩きました。

 その後は1980年代に風間八宏や尾崎加寿夫がブンデスリーガでプレーし、2000年代に入ってからは高原直泰や稲本潤一、長谷部誠、小野伸二らが活躍。2010年代には内田篤人香川真司、大迫勇也、乾貴士、原口元気、岡崎慎司といった日本代表選手たちが在籍し、日本におけるブンデスリーガの知名度や人気は一気に向上しました。

ブンデスリーガの仕組み

ブンデスリーガに参加するクラブ数は?

 ブンデスリーガは1部と2部が18クラブずつで構成され、計36クラブが参加します。プロ化された全国リーグは3部までですが、3部リーグはドイツサッカー連盟主催のためブンデスリーガとは別組織によって運営されています。また、2部以下には各クラブのBチームも参加可能ですが、1つのクラブのトップチームとBチームが同じリーグに参加することはできません。

ブンデスリーガの優勝はどうやって決まる?

 リーグ戦はホーム&アウェイの2回総当たりで、各クラブあたり34試合を行います。勝利した場合は勝ち点「3」、引き分けで勝ち点「1」、敗戦で勝ち点「0」が与えられ、年間で勝ち点を最も多く積み上げたクラブが優勝となります。

 なお、複数のクラブが同勝ち点で並んだ場合、シーズン全試合を終えた時点の得失点差、総得点、当該クラブ同士の対戦結果(合計勝ち点)、当該クラブ同士の対戦におけるゴール数、当該クラブ同士の対戦におけるアウェイゴール数、シーズン全体で獲得したアウェイゴール数の順に比較して最終順位を決定します。

ブンデスリーガの外国人枠

 ブンデスリーガでは2006-2007シーズンから外国籍選手枠が撤廃されています。しかし、各クラブにはドイツ国籍選手を12人以上登録することが義務づけられています。外国籍選手の登録に厳しい制限がないことは、ブンデスリーガがスペインやイングランドなどに比べて日本人選手が活躍しやすいリーグと言われる理由の1つです。

昇格・降格の仕組み

 ブンデスリーガ1部では年間順位が18位と17位のクラブが2部に自動降格となります。一方、2部の年間順位が1位と2位のクラブは、翌シーズンに1部へ自動昇格する権利を得ます。

 1部で16位のクラブ(下から3番目のクラブ)は2部で3位のクラブがホーム&アウェイの2試合制でプレーオフを行い、勝者は翌シーズンを1部で、敗者は2部で戦うことになります。

欧州カップ戦へ出場するには

 ブンデスリーガ1部の年間順位で1位から4位のクラブには、翌シーズンのUEFA
チャンピオンズリーグ(CL)グループステージ出場権が与えられます。さらに5位のクラブはUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージ出場権、6位のクラブはUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)予選プレーオフ出場権を得ることができます。

 なお、DFBポカール(国内カップ戦)で優勝したクラブにもELグループステージ出場権が与えられます。しかし、ブンデスリーガ1部で1位から5位のクラブがDFBポカールを制した場合は、その順位に応じた欧州カップ戦出場権が優先され、ELグループステージ出場権はリーグ戦6位のクラブにスライドします。そして、リーグ戦7位のクラブにUECL予選プレーオフ出場権が与えられることになります。

ブンデスリーガの試合数

 ブンデスリーガ1部は18クラブによるホーム&アウェイの2回総当たりで、各クラブが34試合ずつを行います。全国各地で毎節9試合が開催され、1シーズンの総試合数は「306」となります。

ブンデスリーガの開催期間

 ブンデスリーガは毎年8月に開幕し、翌年の5月下旬までの約9カ月間で開催されます。例年8月から12月が前半戦、12月下旬から1月下旬までの中断期間を挟んで5月下旬までが後半戦となります。

 優勝クラブには「マイスターシャーレ」と呼ばれる巨大な銀皿型トロフィーが授与されます。また、非公式ではありますが、12月の中断直前の時点で首位に立っているクラブは「ヘアプストマイスター(秋の王者)」と呼ばれ、その後の優勝争いを引っ張る存在となっていきます。

ブンデスリーガの魅力

絶対的王者バイエルン・ミュンヘン

 ブンデスリーガでは歴代最多32回の優勝を誇るバイエルンが絶対的な地位を築いています。世界トップクラスの選手たちを揃え、2021-2022シーズンには驚異のリーグ10連覇を成し遂げました。

 実力が拮抗している他のクラブが「打倒バイエルン」を目指し、絶対王者に立ち向かっていくエキサイティングな試合はブンデスリーガの魅力の1つです。そして、バイエルンにとって最大のライバルであるドルトムントとの対戦「デア・クラシカー」はシーズンで最も注目され、大きな盛り上がりを見せる試合になります。

将来のスターが集まる環境

 日本人選手が数多くプレーしているブンデスリーガには、オランダやベルギー、フランスなどの近隣諸国で実績を積んだハイレベルな選手が集います。プレミアリーグラ・リーガのビッグクラブへ引き抜かれる前から、将来のスーパースターが飛躍していく過程を見ることができます。

観客動員の多さとスタジアムの熱狂

 観客動員数の多さとそれに伴う熱狂的なスタジアムの雰囲気もブンデスリーガの魅力です。2022-2023シーズンのブンデスリーガ1部に参戦している18クラブのうち、16クラブが3万人以上を収容できるホームスタジアムを持っており、毎試合ほとんど満員になって圧倒的なホームアドバンテージを作り出します。

 ブンデスリーガ1部で最も収容人数が多いドルトムントの本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクでは1試合当たりの平均観客動員数が8万人を超えるほど。コロナ禍前の2018-2019シーズンにはリーグ全体の1試合あたりの平均観客動員数が4万3403人を記録しました。これはプレミアリーグやラ・リーガ、セリエAを上回って欧州最多であり、ファン・サポーターの生み出すエネルギーがブンデスリーガのスタジアムに熱狂の渦を生み出しています。

まとめ

 イングランドのプレミアリーグやスペインのラ・リーガのように全てのクラブがスーパースターを抱えているわけではありませんが、ブンデスリーガには将来有望な若手や欧州での飛躍を目指す優秀な他大陸出身選手がどんどん集まってきます。

 外国籍枠がないこと。ドイツサッカー界全体で育成に力を入れており、Bチーム所属でも大人のプロリーグを戦えるなど若手にとって最高の競争環境が整っていること。欧州で最も厳しいと言われるクラブライセンス制度によって各クラブの経営が健全な状態に保たれ、給与レベルやプレー環境が高いレベルであり続けていること。これらが質の高い選手を世界各国から呼び寄せる要因になっています。

 また、現在は鎌田大地、長谷部誠、遠藤航、伊藤博輝、原口元気、浅野拓真、堂安律、吉田麻也、上月壮一郎、板倉滉と10人の日本人選手が最高峰のブンデスリーガ1部でプレーしています。毎週のように日本人対決があり、彼らが本気でぶつかり合う姿を楽しめるのもブンデスリーガの魅力です。もちろん日本代表クラスの選手たちが世界トップクラスの相手にどのようなパフォーマンスを披露するかも、見逃せないポイントと言えるでしょう。

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