統一地方選前半で投票率“過去最低”も…投票率を上げる“環境”とは?データから考える
投票所数と投票率のデータ
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 4年に一度の統一地方選挙。前半戦の投開票が9日に行われたが、投票率は各地で過去最低を更新するなど、下がり続けている。投票率アップには、現状の“制度を見直す必要”があると専門家は指摘している。

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 4月9日に投開票された統一地方選挙前半戦。総務省の発表によると、41道府県議選の平均投票率は41.85%で、過去最低だった前回(2019年)の44.02%から2.17ポイント下回り、30道県で過去最低を更新した。

 また、9道府県知事選の平均投票率も過去最低の46.78%となるなど、地方選挙の関心の低さは全国的な課題となっている。

 投票率を上げるためには「啓発」や「主権者教育」などの意識改革が必要との声がよく聞かれるが、大阪大学の松林哲也教授が目を付けたのは「投票所」の数だった。

「『投票所が日本各地で減っている』と国政選挙や統一地方選挙の際に言われるようになった。投票所が減ったら単純に不便になる人が増えるので、投票率の研究を始めた」

 今回の統一地方選でも当日投票所は、人口減や過疎化の影響を受ける地域では、コストや立会人確保の面などから減少傾向にある。

 一方で、政府の補助制度の導入などもあって、期日前投票所を増やす動きは加速している。

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 松林教授は、過去3回の衆院選で投票所の数が投票率に及ぼす影響を分析した。

「有権者1万人当たりの当日投票所が1つ減ると、投票率も約0.5ポイント減る。一方で、期日前投票所は10万人当たり1つ増えると、投票率も0.17ポイント上がるとわかった」

 期日前投票所は増えてはいるが、全体としてみれば、そのプラスの効果よりも当日投票所の減少が及ぼす負の影響のほうが大きいという。

「選挙の当日や数日前に投票所に足を運び、投票する今の制度はそろそろ限界なのかなと。郵送投票やネット投票ができると、全体的に利便性が高まる可能性がある。投票所が減っているから行政が悪いとか、投票所を減らす方が悪いという話になりがちだが、努力が足りないのではなくて環境が悪い。制度を変えてみたらどうかという議論につながる流れになればいい」

 松林教授が指摘する、現在の投票環境と制度の問題。これについて、東京都立大学・法学部准教授で政治学者の佐藤信氏は、次のように話す。

「(投票機会の減少に対して)郵便投票やネット投票の制度を変えていかないと、投票することが難しくなる。郵便投票に関しては、コロナ禍で特例が広がっていたが、自治体によって対応の仕方がさまざまで結構手間がかかる。国が主導的になり、各自治体が郵便投票をやりやすい環境を整える必要がある。これに併せて、ネット投票についても検討していかないと今の環境を改善することは難しいだろう」

(『ABEMAヒルズ』より)

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