行動制限が少なくなり、コロナからの回復が顕在化してきたなか、企業の倒産件数が増えている。ニュース番組『ABEMAヒルズ』はその要因に迫った。
東京商工リサーチの調査によると、2022年度の全国で倒産した企業は6880件に上った。これまでコロナ禍の資金繰り支援策で低水準だった倒産件数が3年ぶりに前年度を上回ったという。
新型コロナ関連の倒産は2602件で前年比1.4倍に増加し、今後も企業倒産が増える可能性が高いとされている。
このニュースを受けて、番組コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏は以下のように解説する。
「基本的に景気が悪いと倒産が増えていって、景気が良くなると倒産は減る。このグラフ見てわかるように、2020〜21年はコロナ禍で不況だったはずなのに、倒産件数が減っている。それは、コロナ期間中で売り上げが減った企業に対して、実質無担保・無利子の“ゼロゼロ融資”というのが行われたので企業の資金繰りがなんとかなった。
今はコロナが落ち着いて経済が再稼働している。従来であれば景気が良くなっていくはずだが、その反面なぜか倒産も一緒に増えている。なぜなら、コロナ前のビジネス状況に戻っていたらよかったのだが、戻らなかったことで、コロナ前には存在しなかったゼロゼロ融資の返済が発生し、負担が増えていったからだ」
では、今後もコロナ関連の倒産は増えていくのだろうか。
「これからどんどん融資の返済が始まっていくプラス、足元では物価が上がっている中で、中小企業は価格転換がなかなかできない状態。一方で、大手が人件費を上げているので、自分たちも人件費上げないと人が出ていってしまうという二重苦三重苦状態になる。新たな支援をしないと、今年も含めてどんどんコロナ関連の倒産は増えるだろう」
(『ABEMAヒルズ』より)
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