一部のお笑い芸人の間で「ココで働いたら売れる」と話題の開運バイトがある。ここから2022年のM-1ファイナリストのモグライダーともしげや、真空ジェシカ川北などが巣立っていった。
どんなバイトなのか、現場を訪れると2人の芸人が働いていた。芸歴16年「ひぐま岬」の我妻弘基(34)さん、芸歴25年「パップコーン」の須田拓也(44)さん。プロの庭職人の指示を受け、庭の草むしりや植木の伐採を行うという仕事内容で、日給は1万円程度。植木職人を補助の人材派遣、これが「売れるバイト」の正体だという。
「芸人が多い職場だと、芸人の仕事が入った時、融通がきいてみんなと代わったりできるので助かる。ストレスもない。接客もないし、葉っぱをむしっていればいいだけだから」(須田さん)
「芸人の月の給料で言うとゼロが当たり前な感じ。早くお笑いだけで食えるようになりたい」(我妻さん)
現在芸人15人、俳優5人、プロレスラー3人が在籍。ここで働きだしてから、朝ドラへの出演が決まった俳優もいるという。
彼らを束ねるのは、元WKAムエタイ世界ライト級王者・小林さとしさん。ジムでキックボクシングを教える傍ら「売れるバイト」の人材派遣会社を経営している。
小林さん自身もキックボクシング時代からバイトを繰り返し、チャンピオンになった後も連盟崩壊の影響でバイト生活を経験した。
「『応援してる』と言ってくれた会社の人から『こいつ元チャンピオンだけど食ってけないから面倒見てるんだよ』と言われ、『ふざけんじゃねーよ。いつかここから抜け出してやる』」(小林さん)
芸人にはそんな屈辱的なことは絶対に言いたくないのだという。
「芸人のことは『うちで雇っている』という言い方はしていない。『仕事を手伝ってくれている』。『面倒見てた』って言うより逆にあいつらに面倒見てもらっていると思っているから。近くで夢を見させてもらってるんで」(小林さん)
バイトで一番の出世頭だというのが、現在テレビに引っ張りだこの芸人、チャンス大城。
「M-1決勝の発表日があったんですけど、居酒屋で親方とパッと見たら一番に呼ばれたのが真空ジェシカで、2番に呼ばれたのがモグライダーで。造園屋さんのメンバーとみんなで『うわぁー』って。親方は泣いていましたね」
チャンス大城は7年前から小林さんの元で働いていて、今も登録している。最近は忙しくて入れていなかったというが、1年ぶりにバイトの現場へ。
一緒に働くのは通称「チャンス大城軍団」の3人。プロレスラーのアンディ・ウーさん、パップコーンの須田拓也さん、元セイシュン・ダーツの青木泰寛さん。
この日の作業はオフィスビルの草むしりと庭の清掃。
「夏は大変。蚊取り線香を腰にぶら下げておいて、そのまま満員電車に乗ってしまって、エライ目にあいましたよ」(チャンス大城)
「(チャンス大城は)どんな時でもちゃんとボケる人。今バイト中だから…みたいなことは全くない人。常にギアがオンの状態なので、見習わないと思う」(パップコーン須田さん)
それにしても、なぜ「売れるバイト」と言われるのか?
「バンバン突っ込んでくれるので、ボケたい放題。面白い人たちしかいない。ここに入ってきた若手は勉強になると思う。『今の間ちょっとあけんねや』とか。新ネタを試したり、技を磨ける場所でもある」(チャンス大城)
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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