3児の母・ハーバード大准教授に聞く 脳科学で考える子育て「イライラしたら感情の“再評価”を」
「実は私も…」ハーバード大准教授の意外な失敗
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 「何度言ったらわかるの!?」そんなふうに子どもを怒鳴ってしまい、後悔したことはないだろうか。

 『ABEMAヒルズ』では、小児精神科医で脳科学者、3人の男の子の母でハーバード大学医学部准教授の内田舞氏に、「科学的な子育てアプローチ」を聞いた。

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相談①散らかしたものを一緒に片付けさせたい

 イライラしたり、悲しくなったりというネガティブな感情を抱いた時は、一度立ち止まって感情を見つめ直す「再評価」が効果的。その際に「状況」「感情」「行動」に整理するとわかりやすいという。

 内田氏は「私も以前、片付けに対して同じ悩みを抱えていた。当時の私でいうと『状況』=子どもたちが片付けていない。『感情』=それにイライラしている。『行動』=怒鳴る、となっていた。一度立ち止まってと見つめ直す(再評価する)と、イライラしている感情の原因は『子どもたちがいうことを聞かない=私へのリスペクトがない』という誤解にある、と気づいた。一旦整理できるとイライラが抜けていって、怒鳴るのをやめ、行動が変わった」と振り返る。

 片付けに対してはゲームも有効だという。

「部屋を片付けるという目標=ターゲットに目を向けて、子どもたちに『片付けゲームしましょう』と言ってエリアを分け、片付けのスピードを競わせたこともあったが効果的だった。他にも片付けの歌を決めて大きめの音量で流しながらみんなで歌いながら楽しくポップに進めたこともある。我が家ではジャスティン・ビーバーだ」(以下、全て内田氏)

相談②電車の長距離移動がカオス

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「まず、育児しているだけで十分大変なので、無理なことはしなくてもいいと思う。『座りなさい』と言っても、できないことができるようになるわけではないので、そういう言葉掛けはうまくいかない。どうしても乗り物での移動が避けられない時はやはりゲームが効果的。私がよくやっている『これみっけゲーム』は例えば『ママは緑のものを見つけました』『それは生きているものです』などヒントを与え、『あ、そこの植物だ!』と子どもも楽しく参加できるもの。座りながらできるのでオススメだ」

相談③怒鳴ってしまった時、どうリカバリーしたらいい?

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「もし、理不尽な怒り方をしてしまったのであれば、気づいた時点で一呼吸置いて子どもに謝ること。例えば、『ごめん。ママは急いでいると怒る気持ちが出てくるんだよね。あなたのせいじゃないけれど、もし、ママが急いでいると気づいたらなるべく時間通りに家を出られるように協力し合おうね』というふうに話して、自分の状況をこのように分析しているんだよと見本を見せてあげる。すると、子どもたちが同じような状況になった時に気づくことができるかもしれないし、自分自身の感情のコントロールにも役立つ」

相談④寝かしつけが苦痛

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「寝かしつけは世界でみると一般的ではないが、日本では子どもが寝つくまで親が側にいなければいけないというプレッシャーがあるのかもしれない。それがすごく辛いという場合は、しなくていいという選択肢もある。私はアメリカで子育てをしていて、長男が全く寝なかった時に、私も夫も眠れずで、みんなが疲れてしまったことがあった。かかりつけの小児科の先生に相談したら、『子どもはみんな潜在的に自分自身を落ち着かせるような力を持っているから、少しずつ発揮させられるように練習させてあげないとダメだよ』と言われて、それから寝る練習をさせるようにしたら、本当に自分で寝るようになった。家族ごとにいろんな方法、シチュエーションがあっていいと思うので、あまりプレッシャーを感じないで」

(『ABEMAヒルズ』より)

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