統一地方選挙で目立った女性候補者の当選。東京23区の区長選では計6人の女性が区長となり過去最多となった。東京・北区議で9000票以上を獲得し、トップ当選を果たした日本維新の会の佐藤古都氏もそのひとりだ。
妊娠中に出馬し、告示の翌日に出産という怒涛のスケジュールだったが、“3度目の挑戦”で初当選を掴んだ。『ABEMA Prime』では、佐藤議員を招き、今回立候補した理由と苦労、そして今後の展望を聞いた。
妊娠・出産、仲間の力を借りて挑んだ選挙戦
佐藤氏が振り返る。
「予定日が投開票日の翌日だったので、自分が選挙戦にいなくても回るようにスケジュールを組んでいたが、まさか告示翌日に入院するとは思っていなかった。そこから街頭に立つことは一度もなく投開票日を迎えた」
握手など有権者との対面での交流は第一声の初日だけだったが、候補者55人中トップで初当選。本人不在の中、どのように支持を訴えたのか。
「ボランティアのメンバーが集まってくれていたので、名前が看板に入った“街宣車”を回してもらった。本人不在でしゃべる人がいない状況で、ビラはほとんど配れず、公園などで人がいたらチラシを配ってもらうというかたちで5日間やってもらった」
都議選では2回落選…“3度目の挑戦”なぜ当選できた?
佐藤氏は、2020年の都議補選に落選、2021年の都議選にも敗れ、今回は“3度目の挑戦”で当選を果たした。その理由をどう分析しているのか。
「2020年は約3万4000票で3位、2021年は次点で落選した。地域に支援者の方が増えているという手応えを感じていた。しかし、今回は日本維新の会が4人候補を立てていて、みんなで票を分け合うかたちになる。まさか、こんなに得票できるとは思わず驚いている」
オンラインサロン田端大学塾長の田端信太郎氏は「これはある種の思考実験だが、もし妊娠・出産をされずに出馬していた場合、この得票数まで来ていたのか。追い風になったのではないかという気もしている」と質問。
佐藤氏は「選挙後に先輩たちとも話したが、区議選は握手の数で決まると言われるくらい地上戦がメイン。活動量が全く足りていなかったので、通常の選挙戦ができていたら、もう少し票を積み上げられたかな?という気もしている」と答えた。
選挙中に出産したことは、どのくらい浸透していたのか。
「選挙活動に携わったメンバーから聞くと、“男の子? 女の子?”と急に聞かれたこともあったようで、知っていた方もいる。今日も私の代わりにボランティアのメンバーが駅に立って、当選の挨拶をしてもらったが、“実は出産したんです”と言ったら“えっ、そうなの?”といった反応もあったようだ。実際、どこまで知られていたかはよくわかっていない」
「次の選挙がある4年後でもいいのでは?」の声も なぜいま立候補を?
妊娠中の出馬には躊躇もあり、避けたかったという思いもあったと語る佐藤氏。それでもチャレンジすることを決めた理由を2つあげた。
「迷いはあった。もともと2人目の子どもは、ずっとほしいと思っていて、不妊治療もしてきた。区議選の半年くらい前に出産できたらいいなと思っていたが、そんなに都合よくいかなかった。妊娠がわかった時点で予定日が選挙とぶつかることが、わかっていたので、すごく悩んだ」
「同世代で育児をしている方がいたら、選挙に出てもらって、私は応援に回りたいと思っていた時もあった。いろんな方に声をかけたが候補者は見つからず、自分がやるしかないと決断した」
その上で、「3人目の子どもを意識した」ことも理由だと明かした。
「次の選挙がある“4年後でいいんじゃない?”と言われたこともある。けれど、その時にまた妊娠しているかもしれない。4年経ってみて、そこでまた判断するのは難しいだろうなと思い、今回挑戦した」
そんな佐藤氏が区議として取り組みたいこととは?
「小さい子どもを育てながら働くことが難しい、と実感したことが私の政治の原点。例えば保育士の働き方改革・待遇改善、あるいは今、学童待機の問題もあるので、入りやすい、あるいは安心して預けられることを目指したい。また、手続きをもっと簡単にしていくというところにも取り組んでいきたいと思っている」
(『ABEMA Prime』より)
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