4月23日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対埼玉西武ライオンズの一戦で、史上17人目となる通算1000四球を達成した西武・栗山巧について、昨年まで北海道日本ハムファイターズに在籍し、対戦相手としてそのプレーを見続けてきたパ・リーグのOB・杉谷拳士氏が言及した。
【映像】“嫌なバッター”もう投げるとこないよ…
この試合、5番・指名打者で先発出場を果たした栗山は、両軍無得点で迎えた2回表の攻撃で、無死二塁の場面から、オリックスの先発・山下舜平大のボールを見極めて四球を選び、出塁。チームに先制のチャンスをもたらすこととなったが、この四球で栗山は、NPB史上17人目となる通算1000四球を見事達成。両軍の選手やファンから祝福を受けることとなった。
実はこの「通算1000四球」は、これまでにNPBでは16人がこの記録を達成しているが、その顔ぶれを見ればわかるように、いずれも“レジェンド”ともいうべき名選手ばかり。無論、現役選手では栗山だけで、通算記録の上位20傑までその範囲を広げても、栗山と丸佳浩(読売ジャイアンツ)の2人のみ。しかも、その大半は、長打力があり、敬遠や敬遠気味の四球で歩かされる場面の多いスラッガータイプが占めていることがよくわかる。
■NPB通算四球数ランキングTOP20
【1】 王貞治 2390四球(2831試合)
【2】 落合博満 1475四球(2236試合)
【3】 金本知憲 1368四球(2578試合)
【4】 清原和博 1346四球(2338試合)
【5】 張本勲 1274四球(2752試合)
【6】 門田博光 1273四球(2571試合)
【7】 野村克也 1252四球(3017試合)
【8】 福本豊 1234四球(2401試合)
【9】 山本浩二 1168四球(2284試合)
【10】谷繁元信 1133四球(3021試合)
【11】立浪和義 1086四球(2586試合)
【12】榎本喜八 1062四球(2222試合)
【13】山内一弘 1061四球(2235試合)
【14】鳥谷敬 1055四球(2243試合)
【15】中村紀洋 1030四球(2267試合)
【16】福留孝介 1009四球(2023試合)
【17】栗山巧 1003四球(2175試合)
【18】土井正博 972四球(2449試合)
【19】長嶋茂雄 969四球(2186試合)
【20】丸佳浩 966四球(1632試合)
そうした中で、シーズン本塁打数がキャリアハイでも12本、長距離砲とは言い難く、アベレージタイプの栗山が堂々のランクインを果たしていることは、それだけでも、充分に称賛に価することだが、そうした栗山について、4月28日にABEMAで放送された『バズ!パ・リーグ』に出演した杉谷氏は、「守ってても、グラウンドにいたときに、栗山さんが(カウント)3-2になったときに、“あ、3-2だ…”って。これでもうヒットになるか(四球を選んで)塁に出られるかなので、“ああっ…”って落胆していたのをすごい覚えてますね。」と、まずは栗山の強みである選球眼の良さについてコメント。続けて杉谷氏は「3-2からもファウル、ファウル、ファウル。“(投手が)もう投げるとこないよ!”って思っていました。」と、栗山は選球眼の良さに加え、相手投手が根負けするほどに何度でもファウルで粘り続ける技術を併せ持つことで、1000四球という大記録に繋がったということを解説しつつ、「それこそ栗山さんがずっと出塁するっていうことに関してはね、西武の中でもずっと嫌なバッターだなって思いながら見させてもらっていたので」と、技術面はもとより、その姿勢を含める形で、改めて栗山の「出塁力」を称賛することとなった。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)